オンライン取引には、当然多くの決定、行動、グラフが関係してきますが、今日はちょっと違うものについてお話ししましょう。市場センチメント(感情)です。市場に感情なんてあるのか、ですか?それを今言おうとしていたのです。あなたが ファンダメンタル分析を使っていようがテクニカル分析を使っていようが、市場が人々の論理的でない場合もある感情や意見や思惑に影響を受けるという事実は無視できません。この短い記事では市場センチメントの重要性について触れ、トレーダーが決定を下す際にどのようにそれを使えるのかについて、説明します。
簡単に言えば、市場センチメントは、特定の市場または商品に対する投資家の総合的な態度です。「総合的な態度」とは?感情です。一人の投資家の意見ではなく、投資家グループの意見でもなく、すべての投資家の視点、意見、感情の組み合わせです。
誰が市場センチメントを気にするのか?みんなが、です。市場の「感情」を理解することで、価格変動の可能性について結論を描くことができます。一番はっきりした例を見てみましょう。価格低下は弱気な市場感情を示唆し、価格の上昇は強気な市場感情を示唆します。市場感情はたくさんの投資家の意思決定で重要な役割を果たしますが、テクニカル分析を使う短期トレーダーやデイトレーダーにとっては、特に重要となる傾向にあります。
今度は市場の心理学?はい。もっと正確に言うと市場を動かす集団の心理学です。これは取引可能銘柄の価格変動を通して示されます。あなたが株式、商品、通貨、指数のCFDに投資を行う場合、市場の雰囲気を把握する必要があります。より具体的には、感情指標が弱気と強気のどちらを示唆しているのか見極める必要があります。市場が特定の方向に向かうようにできればいいのですが・・・。できないですよね。ですからトレーダーは市場が上または下へ向かう可能性の評価に感情を使用し、それに従って意思決定を行います。
私たちのファンダメンタル分析とテクニカル分析に関する他の記事を読んだことがあれば、投資家がグローバル市場を分析する方法は複数存在することがお分かりでしょう。まだ読んでいませんか?できるだけ早くアクセスしましょう。でも今のところは、下のさまざまなタイプの分析の単純な比較をチェックしてみましょう。
センチメント分析 | ファンダメンタル分析 | テクニカル分析 |
---|---|---|
市場感情に焦点 | 市場のパフォーマンスに焦点 | 過去の価格動向に焦点 |
主に取引量、方向、ボラティリティに注目 | 主にニュースと経済データに注目 | 主にチャートに注目 |
時間枠は通常短期 | 時間枠は通常中期から長期 | 時間枠は通常中期から短期 |
複数のタイプの分析を同時に使用することはできるか?もちろん、できます。多くの投資家は、2つ以上のタイプの取引戦略を組み合わせて、より深く広い洞察を得ることを選んでいます。
覚えておいてください。どのような取引戦略を選択しても、意思決定には通常、ある程度の主観が伴います。データは同じでも、結論が異なる可能性があるということです。
それは百万ドルの質問ですね?上記のように、すべての取引決定には常に主観的な側面が伴い、センチメント分析は中でも特に主観的です。なぜなら、何百万人もの投資家の気持ちを推し量るからです。ではこれらの異なる人々のすべて、つまり市場がどのように感じるのか、どうすれば分かるのでしょう。センチメント分析では、経済報告、価格履歴、季節要因、主要な経済事象を含む複数の要因を使用します。このリストに違和感を感じましたか?テクニカル分析やファンダメンタル分析に使用されている要素が含まれていることに気がつきましたか?センチメント分析では、結論を導くために、テクニカル分析とファンダメンタル分析の両方の要素を使用します。
以下はセンチメントアナリストが使う要素の一例です。
もっと知りたいですか?このうちのいくつかについて、もう少し掘り下げてみましょう。
VIXほど感情について述べている指数はありません。この特別な指数は、株式で構成されていません。VIXはS&P500指数オプションの予想変動率を測定します。VIXは市場の不安を測るとみなされるため、「恐怖指数」と呼ばれることもあります。これは向こう30日間の株式市場のボラティリティの期待の測定によります。はっきりさせておきましょう。市場がどれだけ変動するのかということは必要ではなく、投資家がどれだけの変動を期待しているのか、ということが必要です。VIXは予想変動率を測る唯一の指数なのでしょうか?そうではありません。でもその中でもっとも有名なものです。
iFOREXではVIXやその他の市場指数をCFD形式で取引することができます。取引可能銘柄すべてのリストは、取引条件のページをご訪問ください。
センチメント投資家が使う指標にはさまざまなものがあります。すべてをここで紹介することはできませんので、有名なもののうちのいくつかを挙げます。
この興味深い指標は単純に、52日間の高値(ハイ)を示す株式数と52日間の安値(ロー)を示す株式数を比較します。ここで言う株式とは、ニューヨーク証券取引所に上場している株式を意味します。 ハイが明らかに多ければ強気市場を示唆し、ローが明らかに多ければ弱気市場を示唆します。簡単でしょう?
ISEEは国際証券市場での投資家の購入に基づくセンチメント指標です。ここではマーケットメーカーではなく、センチメントの指標としてより信頼できるとみなされる、一般の投資家のみが測定されます。 この指標の計算方法まではここでは述べませんが、理論的には100を超えると強気な感情を、100未満では弱気な感情を示唆することを覚えておきましょう。
この指標は、ニューヨーク株式市場において、ポイントアンドフィギュアグラフで強気のテクニカルパターンを示している株式の割合を見ます。もしよくわからなくも、気にしないでください。 この指標には、チャートとパターンについて、ある程度の知識が必要です。いまあなたが知るべきことは数字がどちらかに偏っている場合(20%未満または80%オーバー)、市場の買われすぎや売られすぎの示唆とみなされるということだけです。
RSIとしても知られる相対強度指数は勢いの指標で、商品の買われすぎや売られすぎの認識に用いられます。その方法は?特定の期間の最近の損失と利益の大きさを比較して、商品の価格変動の変化とスピードを測定します。 今の段階では、計算方法については心配しないでください。ただこの指数は0から100の間でスケーリングされ、理論的には、30より小さい数字は売られすぎを、70より上の数字は買われすぎを示唆します。
最後に、大事なことですが、Breadth Indicatorsについてみてみましょう。これは単一の市場の指標ではなく、数式を使って市場の広がりを測る指標グループです。値下がりまたは値上がりしている株式数や、投資家によるこれらの株式の注文数を評価します。 これらの指標の目的はセンチメント分析の本質で、市場センチメントのベア(negative market breadth)やブル(positive market breadth)を識別することです。Breadth Indicatorsは投資家が特定の後退や反発の大きさを分析することや特定の市場部門を評価することに役立ちます。 Breadth Indicatorsにはアームズインデックスやフォースインデックス、騰落率などがあります。
これまで書いてきたことで、あなたが市場センチメントが取引に必要なツールだと信じてしまったとしたら、それは私たちの意図したところではありません。先に述べたように、センチメント分析は通常独立した戦略ではなく、他の取引戦略や戦術と併用されるものです。センチメント分析では正確なエントリー・エキジットのポイントが得られないことも知っておきましょう。これは市場がどこへ向かうのかを判断するために使われ、あなたが群集に従うべきか否かを判断するのに役立ちます。
覚えておきましょう: