香港は香港ドルと米ドルのレートを固定するドルペッグ制を採用している。しかし最近の米ドル高を受けて米ドル/香港ドルで定められているレンジの上限付近に到達しているため、先週金曜には香港の金融当局トップが「最悪の事態に備える」と発言した。
香港は中国の一部だがイギリスから返還された時の約束で「一国二制度」を採用。中国本土の通貨は人民元だが、香港内では独自通貨の香港ドルを残している。また通貨以外にも中国本土と香港はいろいろ違う制度が残っている。
通貨の香港ドルは、米ドルにレートを固定するドルペッグ制を採用している。このようなドルペッグ制、あるいはユーロペッグ制は通貨が弱い途上国で採用されていることが多い。通貨価値が不安定のため、ドルやユーロといった強い通貨に固定することで価値を安定させている。香港は途上国ではないが返還前の1983年からドルペッグ制であり、1997年の返還後も残された。
香港ドルの場合、米ドルに対するレートを1米ドル=7.75~7.85香港ドルのレンジ内に収める制度を採用している。そしてペッグ制とは黙っていてもレンジ内にレートが留まるものではなく、レートがレンジをブレークしそうになったら中銀が介入してレンジ内に押し戻すようにして維持していく。
途上国の通貨は外国為替市場における取引量が少ないので、当該国の中銀が介入すればすぐレンジ内に戻せる場合が多い。逆に米ドル/円などは取引量がすごく多い通貨ペアなので、日銀でもレートを一定のレンジ内に誘導することは難しい。
また香港はドルペッグ制を維持するため、政策金利はアメリカとほぼ同じように動かしている。アメリカは先週11月3日まで4回連続0.75%利上げを発表したが、香港も同様に0.75%利上げを4回発表してきた。
しかし米ドル/香港ドルのレートもレンジ内で見ると上下が続いている。アメリカが金融緩和をしていた2012~16年は下限の7.75香港ドル付近にあった。アメリカが利上げをした2017~19年になると上限の7.85香港ドル近くまで上がり、パンデミック開始によって膨大な緩和に転じた2020年にはまた下限付近まで下落。
そしてインフレ抑制のためハイペースで引き締めを行っている今年は、また上限付近まできている。こうなるとレンジをブレークしてドルペッグ制が維持できなくなるのではないかと懸念する市場関係者もいるが、今のところ維持できなくなる見通しはあまりない。
だが先週4日になって、香港の中銀に該当する香港金融管理局(HKMA)の余偉文総裁が、ドルペッグ制について「最悪の事態に備えている」と発言。今後ドルペッグ制のレンジがブレークされる、あるいはされそうになる事態もあり、そのような事態に備えていることを示唆した。
香港はアジアの一大金融都市であり、その通貨としての香港ドルの価値維持は重要だ。香港ドルのドルペッグ制が崩れるようなことがあれば、その影響は大きい。
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