歩いて仮想通貨が稼げるSTEPN

去年12月にサービスを開始したSTEPNというゲームが仮想通貨業界でも話題になっている。最近増えている報酬として仮想通貨がもらえるタイプのゲームだが、STEPNの場合は外を「歩く」ことで報酬がもらえるという点で他のゲームとは違う。

参加して歩けば報酬がもらえる

　仮想通貨・NFTとゲームはどちらもデジタルの存在であり、親和性は高い。そのため最近では仮想通貨やNFTとゲームの融合が進み、スクウェア・エニックスなど日本のゲーム大手がNFTを採用したゲーム事業を開始している。

　そしてプレイすることで報酬として仮想通貨（あるいはトークン）をもらえるゲームも増えている。Axie Infinity（アクシィ・インフィニティ）はそのようなゲームの1つで、ゲームをプレイすればSLP（スモールラブポーション）というトークンがもらえる。

　今年になって仮想通貨業界で話題になっているのが、主に外を「歩く」ことで仮想通貨がもらえるSTEPN（ステップン）というゲームだ。STEPNは「Find Satoshi Lab（ファインド・サトシ・ラボ）」というオーストラリアの企業が運営しており、去年12月にサービスを開始した。

　「歩く」ことをテーマにしたゲームは「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」などすでに出回っておりヒット作も多い。しかしSTEPNはそこに仮想通貨が稼げる要素が加わった。

　STEPNに参加するには、現在のところ既存プレイヤーから招待される必要があるのでややハードルが高い。そして最初にNFTアイテムの「靴」を購入する必要がある。靴と言ってもゲームのアイテムなので、本物の靴ではなく履いて歩く必要はない。

　靴には歩行用の「Walker」、ジョギング用の「Jogger」、ランニング用の「Runner」、そして全用途の「Trainer」と4種類あり、自分のスタイルに合わせて選ぶ。しかしこの靴は安いものでも数万円するので、始めるには初期投資がいる。そのあたりはAxie Infinityも同じで、ゲーム内で仮想通貨を稼げるだけに最初にお金を払わないといけない。

　靴を買ったらあとは歩いたり走るだけで、GSTという仮想通貨がもらえる。GSTは他の仮想通貨に替えてそれをさらに法定通貨に替えることもできる。あるいはGSTを消費することで靴を改造することができるので、それをオークションなどで売って稼ぐこともできる。またGST以外にも、GMTというSTEPNに関連する仮想通貨がある。

　しかし問題はGSTが仮想通貨である点で、そのレートは大きく変動するのでSTEPNで稼げる収入は決して安定しない。昨年12月のサービス開始時はGSTは1枚＝200円くらいだったが、その後上昇が続き4月末には1,000円を超えた。

　だがそこを天井に5月入ると暴落。5月末には中国でのサービスを7月15日で終了すると発表したことも売り材料となり、6月5日現在で88円とピーク時の10分の1未満になってしまった。

　このようにかなり不安定要素があるSTEPNだが、たくさん歩いたりジョギングをすることが習慣になっている人々にとってはその習慣を続けるだけで仮想通貨が稼げる面白いサービスではある。