日経225平均が今年最大の1,285円安

25日の東京株式市場は前日からの急激な円高を受けて全面安相場となり、日経225平均は今年最大の下げ幅となる1,285円安で終了。この下げ幅は歴代でも第9位となり、また今月に入ってから約1,000円またはそれ以上の暴落は3度目となった。

過去2週間で4,000円以上安

　先週半ばにアメリカのトランプ元大統領が米ドル高をけん制する発言をしたことや、同じ日に日本の河野デジタル相が日銀に利上げを求めると発言したことなどを受け、日銀が今月の会合で利上げを発表するのではないかとの観測が高まった。

　そのため17日水曜時点では1ドル＝158円だった為替レートは、それ以降急激な円高・米ドル安に動いている。さらに今週の24日朝には156円だったがその24時間後の25日朝までに2円以上円高に動き153円台をつけた。

　為替が円高に動いているため、東京株式市場は売られやすい地合が続いている。前日を39,154円で終えた日経225平均はこの日は630円安の38,524円で寄り付き、その後も売りが止まらず前場には一時的に38,000円を割った。後場になると前日より1,300円以上安い37,825円をつけ、終値は1,285円安の37,869円だった。

　この1,285円安は日経225平均の歴史の中で歴代9位の下げ幅の大きさとなる。1位は1987年10月に発生した「ブラックマンデー」の3,836円大暴落なのでそれには遠く及ばない。

　一方2～4位と6～7位の5回は、1990年と91年のかつてのバブル崩壊時に記録したもの。5位の1,426円安は2000年4月17日にITバブル崩壊と日経225平均の銘柄大幅入れ替えによる売りが重なったという特殊な状況で発生した。8位は2016年6月24日だが、1,286円安で今日の下げとの差はわずか1円だ。

　そして今月は12日に1,033円安、18日に971円安と、1,000円に近い暴落をすでに2回も経験して25日で3度目となる。

　日経225平均は6月後半から7月前半にかけて現在の暴落とは逆に暴騰を見せた。6月21日の終値は38,596円だったが、7月12日には42,224円とわずか3週間で4,000円近くもの急上昇を見せた。

　6～7月の暴騰時は年初1～3月前半の再来かと期待した投資家は多かったが、その期待に反して7月12日からの約2週間で今度は5,000円近くも大暴落してしまった。

　そして為替もここ最近稀に見るペースで円高になっている。7月11日には一時1ドル＝161円台をつけたが、その後11日と12日の2度にわたる日銀の介入で数円円高に戻された。その後は17日の日米要人の発言以降また急激な円高になり、11日から25日までの2週間で円が9円分も上昇した。

　今後日銀は利上げ、FRBは利下げに向かう予定であり、日米中銀の金融政策の方向性の違いからまだ円高が続くことも考えられる。そうなると東京株の下げも25日で終わりではなくまだ続く可能性があるのではないか。そして以前までは急落すると日銀がETF買いで止めたものだが、すでに日銀がETFの購入政策を終了したことを忘れてはならない。