日本でも仮想通貨の両替ATMが設置

今週2日になって仮想通貨を日本円に両替するためのATM、その名も「BTM」が大阪に設置された。海外では広く設置が進んでいるこのようなATMの設置が日本でも進めば、仮想通貨がより身近なものになる。

アプリウォレットから両替

　現在仮想通貨を日本円に替えるには、基本的に日本の仮想通貨取引所で替えるしかない。しかし取引所を通さなくてもビットコインなど主要通貨から日本円に両替ができるATMが、今週の2日になって設置された。

　このATMを開発したのはガイアという仮想通貨取引所の免許も持っている企業で、「BTM」と名付けられた。今週設置されたのは大阪にあるガイア本社のあるビル内の1ヶ所のみ。

　現在日本円に両替ができるのは、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、そしてビットコインキャッシュの4種類の仮想通貨。逆に日本円から仮想通貨にすることはできない。

　使い方は、まず不正利用防止のために事前登録が要るので、ガイアに登録すると利用のためのカードが送られてくる。

　登録が終わったら、両替をするにはBTMに仮想通貨を持ち込む必要がある。取引所に口座を開いて買った仮想通貨は取引所のウォレットに保管される。だが仮想通貨のウォレットは個人向けのものが多く出回っており、スマホアプリのタイプもある。

　そこで取引所のウォレットから、「bitpay」などBTMで動作が確認されている個人向けスマホアプリウォレットに仮想通貨を送金する。そしてbitpayと仮想通貨が入ったスマホと利用カードをBTMまで持っていけば、そこで仮想通貨を日本円に替えられる。

　利用上限額は細かく設定されており、1回あたり10万円、1日あたり30万円、1週間あたり50万円、1ヶ月あたり200万円、年間500万円までと決められている。マネーロンダリングなど犯罪行為にも使われることがあると言われる仮想通貨なので、制限は厳しくされている。

　仮想通貨のATMは日本ではほぼ初めての設置だが、海外ではもっと普及が進んでいる国が多い。たとえばアメリカではすでに数万台の仮想通貨ATMが設置されており、街中ならどこでも気軽に仮想通貨を米ドルに替えられる。

　また経済的には途上国とされているエルサルバドルは昨年9月にビットコインを法定通貨化したが、そのためにビットコイン用のATMが全土に設置された。エルサルバドルの場合はビットコインの法定通貨化という特殊な事情があるものの、仮想通貨ATM設置では世界に先駆けている。

　一方イギリスの場合は仮想通貨ATMが設置されてきたが、今年3月に当局が「仮想通貨のATMは違法」と述べて運営業者に稼働を停止するよう命じた。これはマネーロンダリングなどの対策が十分取られていないために、一旦停止を命じたと見られる。イギリスのように設置は行われたが政府がそれを許さない国もある。

　しかし仮想通貨が生活にかなり根付いてきた現在は、仮想通貨ATMの普及が日本や世界でもっと進む可能性は高い。ガイアは今後1年で50台、3年で130台のBTMを設置する計画であり、自分の家の近くにBTMがあるようになる日はそう遠くないかもしれない。