仮想通貨で金利を得られるイールドファーミング

仮想通貨は単に売買益を得るだけではなく、ステーキングやレンディングなどインカムゲインを得られる手段が増えてきている。そしてイールドファーミングもまた、仮想通貨で金利収入を得られる手段の1つだ。

高利回りも可能だが…

　仮想通貨で得られる利益は数年前まではほぼ売買益のみだった。しかし仮想通貨が発達するにつれ、ステーキングやレンディングといったインカムゲインを得られる手段が次々出てきている。そしてイールドファーミングもその1つだ。

　イールドファーミングの「イールド」とは利回りのことで、「ファーミング」とは育てるという意味。つまり利回りを育てるという意味なのだが、言葉の意味はそこまで気にする必要はない。

　海外ではDEX（分散型取引所）という金融取引所が増えつつある。これは東京証券取引所のように特定の管理者がおらず、参加者同士で売買ができる取引所のこと。

　イールドファーミングとは、DEXなどに流動性提供のために仮想通貨を貸し、その代償として金利を受け取ること。DEXで効率の良い売買が成立するためにはある程度の仮想通貨が必要なのだが、自分の仮想通貨そのために貸すのがイールドファーミングだ。

　イールドファーミングの利回りは各DEXが決めるので、中には年10％を超える非常に高いものもある。日本の銀行に預けても超低金利である現在、10％を超える高利回りは非常に魅力的だ。

　しかし残念ながら日本ではあまりDEXが発達していないため、イールドファーミングをできる機会は少ない。イールドファーミングをしたいなら海外の業者に対して行うしかないのだが、その場合やはりリスクを考えなくてはならない。

　イールドファーミングのリスクとして、仮想通貨を貸している業者が倒産などすると資金回収が困難になる点がある。倒産した場合日本国内なら倒産後の手続きで一定割合は回収ができるが、海外だとそれも難しい。

　そして倒産ではなくとも、業者がある日突然資金を持って夜逃げすることもありえる。これはイールドファーミングではなく海外の業者と金融取引をする場合に必ず考えなくてはいけないリスクだ。

　したがってイールドファーミングをするなら、信頼できるDEX業者を選ぶことが絶対必要になる。だが海外でどの業者が信頼できるか判断することは難しいので、現時点で無理にイールドファーミングに参加する必要はないかもしれない。

　同様に仮想通貨を貸し出して金利を得る方法にレンディングがある。レンディングは現在日本の仮想通貨取引所で受け付けているところが多く、比較的簡単に始められる。イールドファーミングについては将来日本の業者相手にできるようになれば、日本でももっと広まっていく可能性があるだろう。