今週中盤以降の重要な経済指標や政策金利発表

今週はこれから金曜にかけて、重要な経済指標や政策金利の発表が立て続けにある。現在外国為替市場では円安が急激に進行しており、円安トレンドは揺るぎないように感じるが、今後の発表次第では思いがけない動きをするかもしれない。

英ユーロの政策金利発表がある

今日からすでに重要な発表は始まっており、今日は午後1時半にオーストラリアの政策金利が発表された。オーストラリアは各国が緩和政策を続ける中、豪ドル高を警戒しており、2012年頃から少しずつ政策金利を引き下げてきた。そして今年になって2回の利下げを行い、先週までの政策金利は2.0％だった。

どちらかというと利下げサイクルにあるオーストラリアだが、5月に0.25％の利下げをしたばかりで、今回も利下げが行わると予想している関係者はほとんどいなかった。そして今日の発表となったわけだが、大方の予想通り2.0％のまま据え置かれた。同時に発表された声明では今後の金融政策見通しについて、「景気動向次第」という内容にしており、明確なスタンスを表明することは避けていた。

そして明日の午後8時45分には、ECBが金融政策を発表する。3月から量的緩和を開始したこともあり、今回これ以上の追加緩和は予想されていない。金融政策発表に先だって2日午後6時にユーロ圏の5月消費者物価指数が発表され、事前予想の前年同月比0.2％上昇を上回る0.3％上昇だった。

消費者物価指数がプラス圏になるのは6ヶ月ぶりで、ECBが懸念していたデフレはかなり遠のいている。これはやはり原油価格が最近下げ止まっているところが大きい。デフレ懸念の後退を受け、明日のECB会合では特に追加緩和はなく、現状維持に留まるという見方が大勢だ。

木曜午後8時には、英BOEが政策金利を発表する。イギリスはユーロ圏に比べると経済が好調なので、アメリカのように利上げサイクル入りが近いと見られている。しかし今週の会合で利上げを予想している声はあまりなく、利上げはもう少し先になる可能性が高い。

金曜午後9時半には、アメリカの5月雇用統計が発表される。今回は22万5000人増が予想されており、先月発表の22万3000人とほとんど変わりない。雇用統計は数字次第で米ドルが非常に大きく動くので、場合によっては円安・米ドル高がさらに進行する可能性もある。

ただここ最近の雇用統計は悪い数字が出ることもあり、悪い数字が出れば米ドル売り材料になる。また雇用統計ほど重要ではないが、水曜午後9時15分には民間発表の雇用統計である、5月ADP雇用統計が発表される。

今週後半の政策金利発表は、どちらかというと据え置きの事前予想通りに終わりそうなものが多い。そうなると一番サプライズが起こりそうなのは、金曜の米雇用統計ということになる。