今週は日米をはじめ7ヶ国が政策金利を発表する金利発表ラッシュの週だった。日米の金利発表はどちらも予想通りだったが、双方とも中銀トップの会見で今後の政策変更に慎重な姿勢が示されたことで、会見後は為替市場で円安が進行した。
今週は日米をはじめ7ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だった。まず19日木曜午前3時に発表されたアメリカの政策金利は、0.5%の大幅利下げが発表され政策金利は4.75~5%とされた。アメリカの利下げは2020年3月のパンデミック開始時以来約4年半ぶり。
翌20日には日本の政策金利が発表され、予想通り据え置きだった。日銀は前回・7月31日に利上げを発表したことで直後の3営業日に株式市場が史上最大の暴落となったことで、今回は慎重な姿勢を見せた。
残り5ヶ国の政策金利発表は全て19日に行われ、ブラジルは予想通り0.25%の利上げで10.75%、ノルウェーは予想通り4.5%のまま据え置き、トルコは予想通り50%のまま据え置き、イギリスは予想通り5%のまま据え置き、そして南アフリカは予想通り0.25%の利下げで政策金利を8%とした。
一方今週発表された主な経済指標を見ると、17日火曜にはアメリカの8月小売売上高が発表され予想の前月比0.2%減に対し発表は0.1%増と予想に反して増加していた。18日水曜にはユーロ圏の8月消費者物価指数改定値が発表され、予想通りで速報値時点と同じの前年同月比+2.8%だった。
19日にはニュージーランドの第2四半期GDPが発表され、予想通りの前年同期比0.5%減。そして20日には日本の8月消費者物価指数が発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比+2.8%。前月の+2.7%よりインフレが進行していた。
FRBが0.5%の大幅利下げを発表したことが今週NY株式市場にとって買い材料となった。週前半の16・17日の2日間は米政策金利発表待ちで小幅な動きのみだったNYダウは、18日の利下げ発表後に300ドルほど急騰。
その後のパウエル議長の会見でインフレへの警戒感が示されたことでこの日は103ドル安で終了したものの、翌19日には522ドル上昇して最高値を更新。20日は38ドルの小幅高ながら連日の史上最高値をつけた。
日本は16日が敬老の日だったため、今週の東京株式市場は4営業日のみだった。米政策金利発表前の17・18日には小幅な動きで終わった日経225平均は、19日未明のパウエル議長の会見後の円安を受けてこの日は775円暴騰して終了。翌20日も568円高で、週足では1,142円高だった。
為替市場を見ると、FRBによる大幅利下げ期待を受けて先週まで円高が続いた米ドル/円は、今週明け16日月曜も円高に動き昨年7月以来となる1ドル=139円台をつけた。そこで円高は一旦止まり、週前半は緩やかな円安が継続。
19日午前3時の政策金利発表直後は米ドルが下落したものの、パウエル議長の会見でインフレに対する警戒感が示されたことで早期の追加利下げ観測が後退しその後は円安・米ドル高が進行。
20日の日銀政策金利を発表直後はあまり動かなかったが、午後3時からの植田総裁の会見で追加利上げに対して慎重な申請が示されたことで、会見後は前日に続き再度円が急落。一時は144円をつけつつ今週を終えた。
来週は27日金曜にアメリカの8月個人消費のPCEデフレーターが発表される。またオーストラリア、スウェーデン、スイス、メキシコの政策金利発表がある。今週の日米政策金利発表を通過した後は円安・株高基調に入っており、来週もその地合が続くことが期待できる。
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