今週は日米の政策金利が発表された。その内日銀が0.25%の利上げを発表したことが市場のトレンドを大きく変えることになり、週後半は日本の株式市場をはじめ金融市場が大変動を見せた。
今週の最重要イベントは日米の政策金利発表だった。日銀は30日火曜に金融政策決定会合を開始し、31日水曜正午頃に発表する予定だった。会合が始まった後の30日夜に、発表前ながら「今回は0.25%の利上げを検討」との報道が流れた。
そして翌31日の普段より遅い午後1時頃に発表が行われ、国債買い入れ減額スケジュールとともに、前日の報道通り0.25%の利上げが発表された。またその後の植田総裁の会見では「追加利上げもありえる」との趣旨の発言があった。
1日木曜未明には米政策金利が発表され、予想通り5.25~5.5%のまま据え置きだった。そしてその後のパウエル議長の会見では、9月の利上げの可能性が高いことを示唆する発言があった。
今週発表された他の政策金利を見ると、1日未明にはブラジルが発表して予想通り10.5%のまま据え置きだった。1日夜にはイギリスが発表し、予想通り0.25%の利下げが発表されて金利は5%とされた。
経済指標面では、今週はアメリカの7月ADP雇用統計と7月雇用統計が発表された。31日に発表された7月ADP雇用統計は、予想の前月比15万人増に対し結果は12万2000人増と予想を下回った。2日に発表された7月雇用統計は、予想が前月比17万5000人増、結果が11万4000人増でこちらも予想以下だった。
それ以外に発表された主な指標を見ると、30日にはユーロ圏の第2四半期GDPが発表され予想を0.1ポイント上回る前年同期比0.6%増だった。31日にはユーロ圏の7月消費者物価指数が発表され、同じく予想を0.1ポイント上回る前年同月比+2.9%だった。
東京株式市場は為替で円高が続いていることから先週大幅に下げたものの、今週前半はリバウンド。29日月曜の日経225平均は801円上昇し、30日は小幅続伸した後、31日は日銀が利上げを発表したにも関わらず576円高で終了した。
しかし31日の場中終了後の植田総裁の会見後に一段と円高に動いたため、翌1日は975円安の暴落。さらに2日は2,216円安と歴代2位の大暴落を見せた。これで今週の週足では1,758円安となり、先々週から3週連続で4桁下落となった。
NY株式市場も今週は軟調な展開だったが日本ほどではなかった。ダウ工業平均は29~31日に小幅に上下した後、1日は494ドル、2日は610ドルと連日の大幅下落。週足では852ドル安だった。
為替市場も大きく動いた。週明けは1ドル=154円付近で推移していた米ドル/円だが、30日夜に「日銀が0.25%の利上げを検討」と報道されると数円円高に動いた。そして31日の日銀発表とその後の植田総裁の会見で2~3円円高になり、2日の米7月雇用統計が予想を下回ると再度数円円高に。今週の終値は146円台で、週足では約7円も円高に動いた。
来週はオーストラリア、インド、メキシコが政策金利を発表するが、経済指標は重要なものが比較的少ない。しかしこれらの発表よりも、今週後半の円高・株安トレンドが続くか、あるいはどこかで止まるかに市場は注目している。
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