今週は米5月PCEデフレーターが発表され予想通りの数字だった。NY株式市場にとっては材料難な1週間となりダウはあまり動かなかったものの、為替市場では円安・米ドル高が進行して1986年以来38年ぶりの円安水準をつけた。
今週は重要な経済指標の発表が比較的多かった。25日火曜にはカナダの5月消費者物価指数が発表され、予想の前年同月比+2.6%に対し発表は+2.9%と予想を0.3ポイントも上回った。
27日木曜にはアメリカの第1四半期GDP確定値が発表され、予想を0.1ポイント上回る前期比年率1.4%増だった。28日金曜にはイギリスの第1四半期GDP改定値が発表され、予想が前年同期比0.2%増、結果が0.3%増だった。
そして同じ日にはアメリカの5月個人消費のPCEデフレーターが発表され、予想通りの前年同期比+2.6%だった。このインフレ指標が予想通りだったことで、FRBによる9月利下げの見通しが大きく高まった。
また今週は新興国3ヶ国が政策金利を発表。27日にはスウェーデンが発表し予想通り3.75%のまま据え置き、同じ日にはトルコが発表し同じく予想通り50%のまま据え置き、そして28日未明にはメキシコが発表して予想通り11%のまま据え置きだった。
FRBによる9月利下げ観測は高まったものの、今週のNY株式市場にとっては大きな買い材料にならず方向感に欠ける展開が続いた。ダウ工業平均は24日月曜に260ドル上昇した後、翌25日にはほぼ同じ幅だけ下落。その後3日間はごくわずかに変動する日々が続き、週足では32ドル安だった。
そして今週は為替市場で先週に続き円安が一段と進行した。週前半は1ドル=159円台で推移していた米ドル/円だが、26日水曜にはGWの介入直前以来となる160円をつけた。しかし介入ラインと見られていた160円を突破しても日銀の介入がないため、円売り安心感が広がりその後も円安が進行。28日朝方には1986年以来38年ぶりとなる161円をつけた。
NY株式市場はさえない1週間だったが、円安が買い材料となった東京株式市場は堅調な展開が続いた。日経225平均は24日から208円、369円、494円と3日連続高で合計1,000円以上上昇。27日は利益確定売りが増えて326円下落したものの、28日はまた上昇して週足では987円の大幅高だった。
先物市場のNY原油は週前半に81ドル付近で細かい上下が続いたものの、後半になると中東情勢の激化懸念を受けて一時はGW以来となる82.5ドルまで上昇した。
また今年になって暴騰したNYココアは6月後半になって下げてきており、1トン=8,500ドルでスタートした今週は、週足で10%以上下げて7,500ドル付近で終了した。
来週は政策金利はポーランドの発表があるのみだが、7月3日水曜にはアメリカの6月ADP雇用統計、5日金曜には6月雇用統計が発表される。これらの数字次第ではまた円安・米ドル高が進行し、162円あるいはそれ以上の円安になる可能性もある。
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