今週は5ヶ国の政策金利発表があり、また日本の5月CPIの発表もあった。NY株式市場は先週とは一転して堅調な展開が続き、米コンピューター部品のエヌビディアが一時は時価総額で世界一になった。
今週は5ヶ国が政策金利を発表した。18日火曜にはオーストラリアが発表し4.35%のまま据え置きだった。豪は他国と違いまだ利下げ開始を示唆しておらず、声明では逆に追加利上げの可能性を残した。
20日木曜早朝にはブラジルが発表して10.5%のまま据え置きだった。同じ日の夕方にはスイスが発表し、据え置き予想に反して0.25%の利下げを発表し政策金利を1.25%とした。その後発表したノルウェーは4.5%のまま据え置き。イギリスも5.25%のまま据え置きだった。
今週発表された主な経済指標を見ると、18日にはユーロ圏の5月消費者物価指数改定値が発表され、予想通りの前年同月比+2.6%で速報値と同じだった。21日金曜には日本の5月消費者物価指数が発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想の前年同月比+2.6%に対し発表は+2.5%と低かったが、前月より0.3ポイント上昇していた。
今週は19日水曜が休場で4日間だけの取引だったNY株式市場は、FRBによる早期利下げ期待などを受けて先週とは一転して週明けから堅調な動きが継続。ダウ工業平均は17日月曜から連日上昇が続き、20日は300ドル高で終わり週足では561ドル高だった。
また昨年以降のAIブームで業績と株価が爆発的な勢いで上昇しているエヌビディア(銘柄コード:NVDA)は、今週も17・18日と連日上昇して18日の終値時点での時価総額は約3兆3300億ドルとなり、マイクロソフトを抜いて世界一になった。だが休場日を経た20・21日には下げたため、週の終値時点では時価総額1位の座から陥落した。
週明けの東京株式市場は先週の14日金曜に日銀政策金利発表があり、その後の会見で植田総裁が「追加利上げもありえる」と発言したことなどが売り材料となった。17日前場には多くの銘柄が売られてこの日の日経225平均は712円安で終了。しかし翌18日以降はリバウンド相場となり、残り4日間で17日の下げの大半を取り返して週足では218円安だった。
先週金曜に日銀が今後の国債買い入れの減額方針を発表し植田総裁が「追加利上げもありえる」と発言したにも関わらず、為替市場では今週も円安が大きく進行した。今週を1ドル=157円50銭付近からスタートした米ドル/円は、週前半は緩やかな円安・米ドル高が進行。
だが後半になると発表された米経済指標が予想を上回ったことなどを材料に円安が加速し、今週終了間際には159円50銭を超えて160円の大台に接近した。
来週はアメリカの5月個人消費のPCEデフレーターが発表され、またアメリカとイギリスのGDPも発表される。そしてスウェーデン、トルコ、そしてメキシコの政策金利発表もある。28日金曜発表予定の米5月PCEデフレーターや他の経済指標の数字次第では、1ドル=160円突破は十分考えられる。
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