今週の金融市場の動き総括、5月13～17日

今週は米4月CPIが発表され、予想通りの前年同月比＋3.4％だった。また他に発表された米経済指標も予想を下回るものが多かったことで、FRBによる早期利下げ観測が台頭してNY株式市場は上昇。ダウ工業平均が史上初めて40,000ドルをつけた。

日経平均も上昇

　今週は主要国の政策金利発表はなかったが、経済指標の発表は多かった。今週発表された米経済指標で最も注目度が高かったのは、15日水曜に発表されたアメリカの4月消費者物価指数（CPI）であった。同指数は予想通りの前年同月比＋3.4％であり、前月の＋3.5％より低下していた。また前月比の数字では予想を0.1ポイント下回る＋0.3％だった。

　それ以外に発表された今週の主な指標を見ると、14日火曜にはアメリカの4月卸売物価指数が発表され予想通りの前年同月比＋2.2％だった。15日にはユーロ圏の第1四半期GDP改定値が発表され、予想通りの前年同期比0.4％増だった。

　同じ日の夜には米4月小売売上高が発表され、予想が前月比0.4％増だったが発表は変動なしと予想を下回った。

　16日木曜朝には日本の第1四半期GDPの発表があり予想の前期比年率1.5％減に対し発表は2.0％減で、予想以上の減少率だった。また前期の数字も年率0.4％増から変動なしに下方修正された。

　16日夜にはアメリカの住宅指標や新規失業保険申請件数など多くの経済指標が発表されたが、軒並み予想を下回った。そして17日金曜にはユーロ圏の4月消費者物価指数改定値が発表され、予想通りの前年同月比＋2.4％だった。

　今週発表された4月CPI他の経済指標が軒並み予想以下だったことで、米ではFRBによる早期利下げ観測が再度台頭。利下げ観測を受けて今週のNY株式市場は先週に続き堅調な展開となった。

　ダウ工業平均は13～14日に小幅に上下した後、消費者物価指数が発表された15日には350ドル高で終わり史上最高値を更新した。16日には場中に史上初めて40,000ドルをつけ、17日には終値ベースでも40,000ドル超え。週足では491ドル高だった。

　NY株高を受けて東京株式市場も同様に堅調な1週間だった。日経225平均は13～15日の3日間は小幅な上下が続いたが、前日にダウが350ドル上昇した流れから16日には535円暴騰。17日には133円の小幅安で終わり、週足では548円高だった。

　為替市場では13～14日の米ドル/円は1ドル＝156円付近で推移。そして米4月CPIが発表された15日には急激な円高になり16日朝方に一時153円台をつけたがその後はまた円安に動き、155円台で今週を終えた。

　先物市場では米の早期利下げ観測を受け、金利を生まない資産である金が好調な動きを見せた。週序盤はやや下落し一時は2,330ドル台をつけたNY金だが、中盤以降に急上昇。週の終値は2,400ドルを超えて4月につけた史上最高値に接近した。また同じ貴金属銘柄であるNY銀も2013年以来11年ぶりの高値をつけた。

　来週はニュージーランド、韓国、トルコが政策金利を発表する。また日本の4月消費者物価指数やドイツの第1四半期GDP改定値が発表される。重要度が高い米経済指標の発表は少なく、来週もNY株式市場は最高値更新が期待できる。