今週の金融市場の動き総括、3月24～28日

今週は重要な経済指標や政策金利の発表は多くなかったものの、週の半ばにトランプ大統領が4月から発動させる自動車関税の詳細を発表した。この関税発表でリスク回避の動きが広がり、週後半は株式・仮想通貨市場などで売りが目立った。

28日には東京株も大幅安

　先週は8ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だったが、今週は主要国の政策金利発表はなかった。

　しかし経済指標の方は重要度が高いものがいくつか発表された。24日月曜にはアメリカの3月製造業・サービス業PMIが発表。製造業は予想を2.0ポイント下回る49.8だったが、サービス業の方は予想を3.5ポイント上回る54.3と良好だった。

　27日水曜にはアメリカの第4四半期GDP確定値が発表され、予想の前期比年率2.3％増を上回る2.4％増だった。28日木曜にはイギリスの第4四半期GDP改定値が発表され、予想が前年同期比1.4％増、結果が1.5％増だった。

　そして同じ28日夜にはアメリカの2月個人消費のPCEデフレーターが発表され、予想通りの前年同月比＋2.5％だった。

　政策金利の発表は少なかったがノルウェーとメキシコが発表。27日に発表されたノルウェーの政策金利は予想通り4.5％のまま据え置きだった。28日未明に発表されたメキシコの政策金利は、予想通り0.5％の利下げで9％とされた。

　だが今週の金融市場にとって最も大きな材料となったのは、日本時間の27日早朝に発表されたアメリカによる自動車関税だった。トランプ大統領は4月3日からアメリカに輸入される全ての自動車に対し、25％の関税をかけると発表。日本も例外ではなく対象となる。

　この関税政策によって金融市場にはリスク回避の動きが広がり、NY株式市場では週前半は堅調だった地合が後半になると軟調に転換した。ダウ工業平均は24日に598ドル上昇し、翌25日火曜は小幅続伸。しかし26日には132ドル下げた後、自動車関税が発表された直後の27日には155ドル安、28日には715ドルも下落。週足では402ドル安だった。

　東京株式市場も同様の動きだった。日経225平均は24日に小幅下落した後、25日には場中に38,000円を回復し26日になると終値も38,000円台だった。しかしアメリカの自動車関税発表直後の27日には228円下がり、28日になると場中に一時900円以上下げた末に679円安で終了。週足では557円安だった。また28日の引け時から29日早朝までに先物が500円以上下げており、週明け31日も下げ相場になることが予想される。

　仮想通貨市場でもリスク回避の動きが広がった。ビットコインは24日から数日間は1,300万円台で推移していたものの、トランプ関税への懸念を受けて28日から29日土曜にかけて約100万円下落した。

　来週はアメリカで3月ADP雇用統計と3月雇用統計が発表される。また1日火曜にはユーロ圏の3月消費者物価指数の発表もある。政策金利はオーストラリアとポーランドが発表する。

　しかし来週は上記の自動車関税をはじめ多くの関税が発動され、それが経済指標や政策金利発表以上に市場を動かす大きな材料となるだろう。