今週の金融市場の動き総括、2月12～16日

今週は米1月CPIとPPIの発表があり、どちらも予想を上回る数字だった。これらの統計を受けて米FRBによる早期利下げ観測が後退し、NY株式市場はさえない動きが継続。しかしその一方で為替が円安に動いたこともあり、東京株式市場は今週も暴騰した。

日経は週足1,590円高

　今週は重要な経済指標の発表がやや多かったが、最も注目されていたのは13日火曜に発表されたアメリカの1月消費者物価指数（CPI）だった。そして同指数は予想の前年同月比＋2.9％を上回る＋3.1％と出た。前月の＋3.4％よりは低下したものの、2021年3月以来約3年ぶりの2％台はつけられず、アメリカのインフレが根強いことを示した。

　また16日金曜には同じくアメリカの1月卸売物価指数（PPI）が発表され、予想が前年同月比＋0.6％、結果が＋0.9％でCPIと同様予想を上回った。これらの指標によってFRBによる早期利下げ観測が後退し、現在では最初の利下げは6月に行われるとの見方が大半になった。

　米CPI・PPI以外に発表された主な経済指標を見ると、14日水曜にはユーロ圏の第4四半期GDP改定値が発表され予想通りの前年同期比0.1％増で、速報値時点と同じだった。15日木曜には日本の第4四半期GDP速報値が発表され、予想の前期比年率1.4％増に対し発表は0.4％減と予想に反して減少。前期の3.3％減に続く2期連続マイナスで、不況入りが鮮明になった。

　同じ日の午後にはイギリスの第4四半期GDPが発表されこちらもプラスの予想に反して前年同期比0.2％減と低調な数字だった。

　主要国の政策金利の発表はなかったが16日にはロシアが発表し、予想通り16％のまま据え置きだった。

　そして今週は円安の進行や他の材料のため東京株式市場が先週に続き今週も大幅高となった。12日月曜は振替休日で休場していたが、13日は朝方から日経225平均が暴騰し、この日は1,066円高で終了して1990年以来34年ぶりの高値を更新。

翌14日は小幅下落したものの15日は454円高で再度高値を更新し、16日前場には一旦史上最高値の38,915円まであと50円と接近。しかしこの日は最高値更新はできないまま330円高で終了。週足では1,590円高だった。

　一方FRBによる早期利下げ観測の後退のためNY株式市場はさえない1週間となった。ダウ工業平均は12日に小幅下落した後、米1月CPIが発表され予想を上回った13日は524ドルの大幅安。残り3日間も細かい上下が続き、週足では44ドル安だった。

　また仮想通貨市場ではビットコインが堅調な動きを見せた。12日朝時点で720万円だったビットコイン価格は、その後順調に上昇して15日には780万円をつけ2022年11月につけた円建ての最高値を更新。しかしその後はあまり動かず、週末にかけて780円付近での横ばいが続いた。

　来週は22日木曜にユーロ圏の1月消費者物価指数改定値が発表される。また韓国やトルコの政策金利発表がある。全体的に重要な材料は少ない週なので、焦点は日経225平均が史上最高値を更新できるかどうかになる。