今週は5ヶ国・地域が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だった。それらは無難な発表内容だったものの、NY株式市場はさえない地合が続きダウ工業平均は先週から数えて7営業日連続下落となった。
今週はオーストラリア、カナダ、ブラジル、スイス、そしてユーロ圏の5ヶ国・地域が政策金利を発表する年末の政策金利発表ラッシュの週だった。
発表内容を順を追って見ると、10日火曜にはオーストラリアが発表し予想通り4.35%のまま据え置きだった。11日水曜にはカナダが発表し、予想通り0.5%の利下げが発表されて政策金利は3.25%にされた。
12日木曜早朝にはブラジルが発表し、予想の0.75%を上回る1%の大幅利上げを発表して政策金利を12.25%とした。ブラジルの利上げはこれで3会合連続で、利上げ幅がだんだんと大きくなっている。
同じ日の夕方にはスイスが発表し、予想の0.25%を上回る0.5%利下げを発表して政策金利を0.5%とした。そして同じ日の夜にはECBが発表し、予想通り0.25%の利下げが発表されて最重要政策金利は3.15%とされた。
重要な経済指標としては11日にアメリカの11月消費者物価指数が発表され、予想通りの前年同月比+2.7%だったが前月より0.1ポイント高かった。一方翌12日には同卸売物価指数が発表され、予想を0.3ポイント上回る前年同月比+3.0%でインフレの再燃懸念が高まった。
他に発表された主な経済指標を見ると、9日月曜には日本の第3四半期GDP改定値が発表され予想の前期比年率0.9%増に対し発表は1.2%増と予想を上回った。
先週の4日水曜には史上初めて終値45,000ドルを突破して最高値を更新したNYダウだが、その後5~6日には2日連続下落。そして今週はさえない週となり9日に240ドル下落した後、11・12日発表の米インフレ指標によって今後の利下げ減速観測が台頭したために週後半も下げが継続。今週は5営業日全てで下げて週足では814ドル安。先週から数えて7営業日連続安になった。
一方NASDAQ総合指数はダウのように下がらず、週半ばに上昇して11日には史上初めて終値で20,000を突破。週の終値は20,000を維持できなかったものの、週足でも67ポイント高とわずかながらプラスだった。
為替が円安に動いたために今週の東京株式市場は堅調で、日経225平均は週明けから4日連続上昇して12日木曜には一時40,000円を回復。だが13日金曜には379円下落して終了し、週足では379円高だった。
為替市場では週を通して円安・米ドル高が進行した。週の開始時は1ドル=150円だった米ドル/円だが、週前半から円安が進行。11日には「日銀は利上げを急いでいない」との報道が流れたために1円ほど円安になり、さらに12日に発表された米11月卸売物価指数でFRBの追加利下げ観測が後退したため一段と進行。週の終値は153円台後半だった。
来週は日本、アメリカ、イギリスをはじめとする7ヶ国が政策金利を発表する年末の政策金利発表ラッシュの2週目となる。特に日米の発表は注目度が高く、発表内容次第で為替や株式市場が大きく動くことも考えられる。
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