今週の金融市場の動き総括、12月18～22日

今週は海外の多くの国がクリスマス休暇に入るため、重要な経済指標・政策金利の発表は比較的少ない週となった。そのような中、日銀が金融政策を発表し一部の予想に反して全て現状維持とされた。

日銀発表後に円安進行

　今週は海外の多くの国で市場関係者がクリスマス休暇に入るため、重要な経済指標や政策金利の発表は少なく、また金融市場も閑散市場気味の1週間となった。

　アメリカやイギリスなど多くの国が先週に今年最後の政策金利発表を行ったものの、日本は今週の19日火曜に日銀が今年最後の発表を行った。12月7日に植田総裁が行った国会証言により、「日銀は早期に金融政策を修正する」との観測が台頭。その後日銀関係者によってそのような見方は否定されたものの、19日の発表前まで一部では緩和の修正が発表されるとの予想が残った。

　しかし実際に発表されたのは全て現状維持であり、また同日午後の植田総裁の会見では今後も緩和を続けていく姿勢が示された。

　今週は他にトルコが政策金利を発表し、予想通り2.5％の利上げが発表されて42.5％とされた。トルコは6月から7ヶ月連続で金利を大幅に引き上げ合計の利上げ幅は34％にもなったが、今回の引き上げ幅は7ヶ月で最小だったので打ち止めが近いと思われる。

　すでに述べたように今週は多くの国でクリスマス休暇が始まったものの、それでもいくつか重要な経済指標が発表された。

　19日にはユーロ圏の11月消費者物価指数改定値が発表され、予想通りの前年同月比＋3.6％だった。21日木曜にはアメリカの第3四半期GDP確定値が発表され、予想の前期比年率5.2％増に対し発表は4.9％増と予想を下回った。

　22日金曜朝には日本の11月消費者物価指数が発表され、生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比＋2.5％。前月より0.4ポイント低下して日本でもインフレの低下が鮮明になった。

　FRBの利上げ終了と来年の利下げ見通しが高まったことで、NY株式市場は先々週から堅調な相場が継続。先週金曜までにダウ工業平均は7連騰を見せた。今週も18日月曜にわずか1ドル未満、19日には252ドル高と連騰して連続上昇を9営業日に伸ばした。しかし20日水曜には476ドル下落して連続上昇が止まり、週足ではわずか80ドル高で終了した。

　東京株式市場は今週も最近の値動きの荒い相場が継続。日経225平均は18日に小幅下落した後、日銀の現状維持発表とその後の円安を受けて19・20日と連続で大幅上昇。この2日間の上昇幅は900円を超えた。しかし翌21日には500円以上下げるなど荒い動きが続き、週足では199円高だった。

　為替市場を見ると米ドル/円は今週を1ドル＝142円台からスタートし、日銀発表前の様子見ムードが強かった18日から19日午前中は142円台で推移。そして19日に日銀が現状維持を発表しその後植田総裁の会見が行われると、円安が進行してこの日午後8時頃には145円に接近。だがそれ以上の円安にはならずその後は週後半にかけて緩やかに円高に動き、142円台半ばで今週を終えた。

　来週は2023年最後の週となり、25日月曜は海外のほとんどの国で株式市場が休場して26日火曜も多くの国が休場する。今年は30・31日が週末にあたるため、29日金曜に大納会を迎える東証だけではなく海外の多くの株式市場も29日が最終日となる。いよいよ今年も最後の週を迎え、翌週からは2024年（令和6年）が始まる。