今週は日米英などが政策金利を発表した。また米10月ADP雇用統計と10月雇用統計の発表もあった。材料が多い1週間だったため大きく動いた市場が多かったが、米追加利上げ観測の後退で株式市場は週を通して堅調な動きだった。
今週は日米英など多くの国が政策金利を発表した。順番に見ていくと31日火曜には日本の政策金利が発表され、予想通り据え置きだった。しかし直前になって浮上した見通し通り、長期金利の誘導目標レンジ政策が修正。これまで「1%」とされていた上限が「1%をめど」と柔軟な基準にされた。
2日木曜未明にはアメリカが発表し、こちらも最近浮上した予想通り5.25~5.5%のまま据え置きだった。また声明やパウエル議長の会見では、今年最後・12月のFOMCにおける追加利上げは明言されなかった。
直後の2日早朝にはブラジルが政策金利を発表し、予想通り0.5%の利下げが発表されて政策金利は12.25%とされた。同じ日の夕方にはノルウェーが発表し予想通り4.25%のまま据え置きだった。またその後イギリスも発表して予想通り5.25%のまま据え置きだった。
経済指標も今週は重要な発表が多かった。30日月曜にはドイツの第3四半期GDPが発表され、予想の前年同期比0.7%減に対し発表は0.3%減と予想より減少幅が小さかった。
31日にはユーロ圏が第3四半期GDPを発表し、予想の前年同期比0.2%増に対し発表は0.1%増だった。同時刻にはユーロ圏の10月消費者物価指数が発表され、予想の前年同月比+3.1%に対し発表は+2.9%で、前月の+4.3%から大幅低下だった。
1日水曜にはアメリカの10月ADP雇用統計が発表され、予想が前月比15万人増、結果が11万3000人増で予想より低調だった。そして3日金曜にはアメリカの10月雇用統計が発表され、予想の前月比18万人増に対し発表は15万人増でADP雇用統計と同じく予想を下回った。
2日未明の政策金利発表とパウエル議長の会見によって、今年の米追加利上げ観測は後退しNY株式市場にとって買い材料となった。またダウ工業平均は先週・先々週と下げが続いたことで、今週は大きなリバウンドがあった。
ダウは30日に511ドル上昇した後、翌日以降も3桁上昇が続き2日は564ドル高。3日も同様に3桁上昇して週足では1,644ドル高の暴騰で終了した。
好調な相場は東京株式市場でも同様で、日経225平均は30日に295円下げた後31日に小幅反発。そして円安を受けて1日には743円も暴騰し、翌2日には348円続伸して4日間だけの今週は週足958円高だった。
為替市場は変動が大きい1週間だった。今週を1ドル=149円50銭からスタートした米ドル/円は、日銀が政策修正を検討との報道を受けて30日夜に148円台まで下落。そして31日に日銀が予想通り修正を発表したが、市場が期待していたほど大きな修正ではなかったことで発表後は円安が進行。
さらに同じ日には政府日銀が10月に介入を行っていなかったことが公表され円安への抵抗がなくなり、この日に一気に151円70銭まで円安になった。
しかしその後は低調な米ADP雇用統計や雇用統計を受けて円高・米ドル安が続き、週の終値は週明けとほぼ同じ149円台半ばだった。
来週はオーストラリア、ポーランド、メキシコの政策金利発表があるが、経済指標は重要な発表が比較的少ない。今週の株高が来週も続くかどうかが注目材料となる。
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