ロナウジーニョが詐欺事件の件で議会に登場

仮想通貨に関連した詐欺の疑いで捜査の対象になっている元ブラジルサッカースターのロナウジーニョは、最近まで2回の公聴会からの呼び出しに応じなかった。しかし3回目の31日にはついに議会に登場し、自分の名前や写真が勝手に使われただけだとして関わりを否認した。

弟も議会で証言

　元ブラジルのサッカースターであるロナウジーニョが、母国ブラジルで詐欺の疑いをかけられて捜査の対象になっている。ロナウジーニョは2002年の日韓W杯を初め、2000年代と10年代にプロサッカー選手として活躍した。もう少し詳しい経歴はこちらの記事にある。

　今回問題になっているのは、「18kロナウジーニョ」という彼の名前を冠したビジネス。このビジネスは仮想通貨に投資するという名目で不特定多数の投資家から資金を集め、「1日あたり2％の配当を支払う」と謳っていた。しかしこれでは年間で数百％にもなり、現実的には持続不可能な数字だ。

　結局18kロナウジーニョは約束していた1日あたり2％の配当を投資家に支払えなくなり、投資家からは6,100万ドル（約89億円）の損害賠償を求めて提訴もされている。18kロナウジーニョは単なるネズミ講であったと見られる。

　ビジネスの名前に使われていることや、資金集めの広告にロナウジーニョの写真が使われていたことから、当局はこの詐欺に彼が関与している、あるいは主導していると疑い捜査をすることになった。

　ブラジルの議会は公聴会を開いて彼の意見を聞くことにしたが、1回目は現れなかった。8月24日に開かれた2回目の公聴会でも「天候が悪い」という理由で登場しなかった。次回は31日とされたが、3回目も出てこない場合は強制的に召喚できるという法律があった。この法律を恐れたのか、31日はついにロナウジーニョが議会の公聴会に出席した模様だ。

　その場でロナウジーニョは、18kロナウジーニョへの関与について、「自分の名前や写真を勝手に使われただけで、私は関与していない」と述べて否定した。そして使われた写真は、2016年に「18kウォッチ」というアメリカ企業とマーケティング契約を締結した時に、その企業に渡したものだと主張した。

　つまり直接18kロナウジーニョに広告に使う目的で渡したものではなく、別の企業に渡したものを流用されたという。また詐欺の被害者に補償をするか質問された時、はっきりとは答えなかった。

　そして前週にはロナウジーニョの弟であるロベルト氏も、同様に議会の公聴会に呼ばれて証言していた。その場でロベルト氏は、ロナウジーニョと同様に「兄は名前と写真を勝手に使われただけ」と述べて積極的な関与があったことを否定した。

　とりあえずロナウジーニョは公聴会に出てきたが、証言では疑惑を否定したのみだった。これで当局側が納得行くはずもなく、この問題はまだまだ続くだろう。