パラジウムは2016~21年頃に高騰していたものの、21年から今年にかけての2年間はパッとしない動きが続いている。パラジウムのバブルはすでに弾けた感がかなり出てきている。
パラジウムという金属の先物銘柄は、2016~21年に高騰した。2015年当時は1オンス(約31g)=500ドル付近で推移していたのだが、2021年5月には3,000ドルを超えるところまで上昇した。
その後は基本的に軟調な動きが続いていたものの、ウクライナ紛争開始直後の昨年3月には極端に上昇して一時的に3,400ドルをつけた。ただしこれは特殊な状況での短期的な上昇であった。
昨年3月の上昇が終わるとまた下げが続き、今月には一時1,420ドルと高値の半分以下になった。2020年3月のコロナ開始時の暴落には1,360ドルまで下げたことがあったものの、こちらも特殊な状況下での短期的な下げだった。2020年3月を除けば、1,420ドルは2019年8月以来3年半ぶりの安値となる。
パラジウムはガソリン自動車の排ガスを浄化するための触媒として利用される。そしてディーゼル車にはプラチナ(白金)が触媒に使われることが多い。
2016年頃からのパラジウム高騰は、ガソリン車の触媒としての需要が伸びたためと言われる。2015年9月にはドイツのフォルクスワーゲンが、排ガステスト時に不正を行っていたことが発覚。この事件でディーゼル車に対する信頼が世界的に落ちた。
その後はディーゼル車よりガソリン車が好まれるようになり、触媒の需要もプラチナからパラジウムに移行。パラジウム価格は2016年から高騰した一方で、プラチナ価格はあまり上がらず低迷している。
しかし2021年頃からまた世界の自動車業界の流れが変わってきた。すでに知られている通り、この年前後には世界各国が将来のEVへのシフトを明確に発表。2030~40年頃までにガソリン車の販売を終了すると決定した国も多い。
つまりこれからは排ガスの触媒を全く必要としないEVが増えることになり、触媒としてのパラジウムの需要はだんだんと低下していくことが予想できる。それが2021年頃からのパラジウム価格の下げにつながり、今月にはついに1,420ドルと2019年以来の安値まで落ち込んでしまった一因となった。
今後パラジウム価格はどう推移するだろうか?もちろん完全に予想することは難しいが、今後EVシフトが進めばパラジウムの需要は伸びず、価格が上昇する材料も少なくなっていくだろう。2016~21年頃のパラジウムのバブルはすでに弾けたと言ってもいいのかもしれない。
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