トルコ政府が21日未明に、銀行のリラ預金で為替損失が出たら政府が補填する政策を発表した。国民や企業が預金をリラから外貨に替えることを防ぐためのリラ防衛策として出されたが、この政策を受けて21日はリラが歴史的な大暴騰を見せている。
9月から毎月行われてきた利下げや、エルドアン大統領による利下げ政策の養護・賞賛発言を受けて11月後半からトルコリラは暴落が継続。11月15日時点では1ドル=10リラ付近だった米ドル/トルコリラは、その後猛烈に下げ続けて12月20日夜には18リラを越えた。
トルコリラ/円も同様で11月15日時点では1リラ=11円40銭付近だったレートは、その後の約1ヶ月ですさまじい下げが続き12月20日夜には6円20銭になった。
しかし日本時間の21日未明になって、トルコ政府は驚くべき奇策を発表した。トルコの銀行に預けられているリラ建ての預金について、金利より大きい為替差損が出たらその損失をトルコ政府が補填するというものだった。
トルコリラが連日すごい勢いで下げているため、国民や企業の間にはリラ預金を外貨に替える動きが広がっていた。そのような動きを止めさせ、リラの暴落を食い止めるための21日未明の発表だった。
だがこの政策発表に対し、トルコリラは極めて敏感に反応した。政策発表前には1ドル=18.2リラの史上最安値圏で推移していたが、発表後にトルコリラが大暴騰。午前4時半頃には12.5リラまで回復した。午前中は13.7リラ付近であまり動かなかったものの、午後の欧州勢が参加する時間になるとまたリラが上昇し一時11リラ付近と約1ヶ月ぶりの水準をつけた。
トルコリラ/円も同様でトルコ政府の発表前は1リラ=6円20銭台にあったトルコリラ/円だが、発表後に暴騰し午前4時半頃には発表前から約50%も高い9円20銭台に。そして21日午後になると10円30銭まで上昇し、政策発表前から60%以上の大暴騰となった。
エルドアン大統領は「利下げをすればインフレは収まる」との持論の持ち主で、リラ安が続きインフレが進行しても利上げは絶対せずに利下げを継続する姿勢を崩さなかった。それは現在でも変わっていないため利上げの代わりにリラ防衛策として21日の奇策発表となった。
とはいえこの策で長期的なリラ下落を食い止められるかどうかは疑問が残る。銀行預金における為替差損を補填するということは、それだけ政府が歳出を増やさなくてはいけない。そのためにリラの発行量を増やすようなことがあれば、それがまたインフレとリラ安要因になる。
言い換えるとこの策はインフレになった国が通貨をさらに発行して国民に配るようなもので、長期的にはインフレをさらに悪化させることにつながる恐れがある。為替市場を驚かせた21日の奇策だが、長期的に見ると悪手と言えるのかもしれない。
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