トランプ氏が再選されたら市場はどう動くか

今年11月には米大統領選が行われる。先週末13日にはトランプ元大統領が銃撃されるという衝撃的な事件が起こったが、この事件後共和党の結束は固くなっておりトランプ氏が優勢と見られるようになってきている。「もしトラ」というネットスラングも生まれているがそれが現実になる可能性が高まった。

トランプ氏は米ドル高を懸念

　今年の11月上旬には、4年に一度のアメリカ大統領選が行われる。世界で最も強大な権力を持つ人物を選ぶ選挙だけに、その動向は世界中が注目している。

　すでに民主党はバイデン大統領、共和党はトランプ元大統領と公認候補が確定している。そのような状況だが先週末の13日土曜（日本時間14日日曜朝）にはトランプ元大統領が20歳の青年に銃撃されるという衝撃的な事件が発生した。

　この銃弾はトランプ氏の右耳に当たったため、命に別状はなく今後も大統領選を続ける見通し。後で分析された内容によると、この時トランプ氏は「たまたま」銃撃寸前に首を動かしていたことで、頭部への直撃を免れ命拾いしたとのことだった。

　犯人はすぐに銃殺されたので詳しい動機は未だに分かっていない。しかし動機などはともかく、銃撃によって共和党内におけるトランプ氏を盛り立てて選挙戦を戦っていこうという士気は高まった。

　銃撃事件前からトランプ氏の方がやや優勢と見られていたが、銃撃後はさらに優勢になりすでにトランプ氏が勝利する可能性がかなり高いと見る者も増えた。ネット上では大統領選の予備選が始まった頃から「もしもトランプ氏が再選されたら」を縮めたネットスラング「もしトラ」がよく見られるようになった。だがすでに「もしトラ」が現実になる可能性は高まっている。そうなると金融市場はどう動くだろうか？

　トランプ氏は最近のテレビインタビューで「米ドルと日本円、米ドルと人民元のかい離は信じられない」と発言し現在の米ドル高を懸念しているので、再選されればFRBに利下げをするよう要求することが考えられる。その一方で大統領選前に利下げをして景気が好転するとバイデン大統領に有利に働くため、大統領選前の利下げはしないようけん制していた。

　そしてトランプ氏は仮想通貨には肯定的であるため、仮想通貨市場にとっては再選がプラスに働くと思われる。7月はマウントゴックスの弁済が始まったことで上旬に仮想通貨市場が下落したものの、13日の銃撃事件以降は市場全体が上昇している。

　また株式市場は2016年と20年の大統領選後どちらも上昇した。2020年の時当選したのはバイデン大統領の方だが、今回も大統領選後に株高を期待する投資家は多い。

　さらにトランプ大統領が主導するSNSの企業・トランプ・メディア＆テクノロジー（銘柄コード：DJT）の株価も、当選すれば上がることが期待できる。

　実際にどちらが勝つかは11月の投票まで分からないが、トランプ氏が再選されればアメリカや金融市場に多大な影響が出ることは間違いない。