テスラが23日のNY株式市場終了後に7~9月期の決算を発表。利益が3四半期ぶりに増加に転じたことを投資家に好感され、発表後のNY株式市場で同社の株は15%以上暴騰している。
米EV(電気自動車)メーカーのテスラ(銘柄コード:TSLA)が、23日のNY株式市場終了後(日本時間24日早朝)に7~9月期の決算を発表した。
その内容によると、売上高は前年同期の223億5000万ドル(現在のレートで約3兆4000億円、以下同じ)から8%増の252億ドル(約3兆8300億円)で、市場予想の253億ドル(約3兆8400億円)をわずかに下回った。
純利益は前年同期の18億5000万ドル(約2,800億円)から17%増の21億7000万ドル(約3,300億円)。EPS(1株あたりの利益)は0.62ドルだった。
しかしこれらの数字は、アメリカの正式な会計基準に基づいたGAAPベースの利益額。テスラを含めた一部の米企業はGAAPベースの他に、非公式なnon-GAAPベースの数字も公表している。
non-GAAPベースでの純利益額は前年同期の23億2000万ドル(約3,500億円)から8%増の25億ドル(約3,800億円)だった。EPSは0.72ドルで、市場予想の0.58ドルを上回った。そして自動車の販売台数は前年同期の43万5000台から6%増の46万3000台だった。
世界的に多くの自動車メーカーがEV事業に参入するにつれEV市場での競争は激化し、2022年頃からテスラは何度も自動車の値下げを行ってきた。しかし値下げによってテスラの収益が圧迫されて減益決算が多くなり、今回の増益は3四半期ぶりとなる。
テスラは増収の理由について、「販売台数の増加」「エネルギーや蓄電池など他の事業の成長」などを挙げた。また増益の理由については「部品、輸送費、関税を含む自動車1台あたりのコスト削減」「エネルギーや蓄電池など他の事業の粗利の増加」「販売台数の増加」「コスト削減の効果による営業費用の削減」などを挙げた。
3四半期ぶりに増益に転じた良好な決算を受け、発表後24日のNY株式市場ではテスラ株が暴騰。前日を213.65ドルで終えていた同社の株は、好決算を受けて23日の時間外市場から大きく上昇し、24日のNY市場序盤には15%以上暴騰して250ドルに接近している。
テスラは10月11日に新型の自動運転タクシー「Cybercab」を発表したが、具体的な計画がないなどの点が投資家を失望させ株価が9%近くも下落した。しかし今期の決算を見る限りテスラはまだまだ安泰で、今後の成長は盤石のようだ。
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