ソフトバンクグループが2016年に買収して完全子会社としていた英の半導体設計企業・アームが、買収から7年を経て今週14日についにNASDAQ市場に上場する。このIPOによってアームの時価総額は540億ドル(約8兆円)にもなり、ソフトバンクGの買収は大成功だったことになる。
ソフトバンクグループ(銘柄コード:9984)が2016年に買収したイギリスの半導体設計企業であるアームホールディングス(銘柄コード:ARM、以下「アーム」)が、9月14日にアメリカのNASDAQ市場に上場する。これはアメリカでも今年最大級のIPOとしてかなり注目されている。
アームの前身となる企業は1990年に創業された。当時からコンピューターのCPUに使われる半導体アーキテクチャの設計・開発を行い、1998年には社名を現在のアームに変更。またこの年にアメリカとイギリスで同時に上場にも成功した。
アームの主力製品は、世界各国で電子機器のCPUに使われるアーキテクチャ「ARMアーキテクチャ」。この製品はパソコンやスマホのみならず、携帯用ゲーム機や電卓などのCPUにも使われており世界で圧倒的なシェアを持っている。それ以外にもソフトウェアやプログラミングツールを開発・販売している。
アームは2000年代から2010年代にかけて多くの企業を買収することでさらに拡大してきた。そして2016年になると、ソフトバンクGが240億ポンド(当時のレートで約3兆1000億円)で全株式を取得して買収し、完全子会社として上場は廃止になった。また2017年頃には、25%の株式を自ら運営するソフトバンク・ビジョン・ファンドに移行した。
だが2020年になってパンデミックが始まると、ソフトバンクGの業績不安が出てきたことや、アメリカンのGPUメーカー・NVIDIA(銘柄コード:NVDA)が買収を希望したことから、同社に約4兆円で買収することになった。しかしこの買収は各国の独占禁止法などに抵触するため、承認されず2022年2月に断念された。
NVIDIAによる買収が実現しなかったことで、ソフトバンクは改めてアームを上場させる計画を進めた。そして2023年になってNASDAQへの上場が承認され、ブックビルディングの仮条件は47~51ドルだったが上限の51ドルで公募価格が決定した。また上場直前で、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの持つ25%がソフトバンクGによって買い取られた。
公募価格の51ドルで計算すると、上場時の時価総額は540億ドル(約8兆円)になる。また上場初日やその後株価が上がればさらに時価総額は増える。
買収額は3兆円強だったので、ここまで時価総額が増えればこの買収は大成功だったと言える。この成功はいくつかの幸運のためでもあった。1つはNVIDIAへの売却が承認されなかったことで、最終的にはより価値が高まった状態で上場できたこと。もう1つは買収当時の2016年はここ10年で最も円高だった時代なので、その後の円安で少なくとも円建ての企業価値がかなり膨らんだことだ。
ソフトバンクGは長い間財務基盤だったアリババ株を、最近になってほぼ全て手放した。だがアームが約8兆円という巨大な価値を持つことになったので、今後はアーム株を財務基盤にできる。ソフトバンクGはまだまだ安泰のようだ。
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