今年初頭から経済危機が続くスリランカは、今週5日になって首相が「破産」を宣言した。すでに5月には国債の利払いができずデフォルトに陥っており、スリランカの経済危機は終わりが見えない。
インド洋にある島国・スリランカが、今年初頭から経済危機に苦しんでいる。スリランカは報道されることがあまりない国だが、「セイロンティー」と呼ばれる紅茶は世界で愛飲されている。
また2021年3月にはスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんという女性が、名古屋入管に収容中に死亡する事件があった。その後は遺族による刑事告訴や損害賠償請求が起こされ波紋が広がっている。
経済危機に話を戻すと、スリランカ経済の低迷はまずパンデミックによって観光客が来なくなり観光業が壊滅したことが1つの大きな原因だった。そして今年2月からのウクライナ紛争によって食料や燃料の輸入が困難になり、それが危機に拍車をかけた。
物資不足のため国内ではインフレが進行し、庶民は食料や燃料を手に入れることが難しくなった。生活苦を理由として3月頃から国内でデモ・暴動が頻発し、2019年から務めていたラージャパクサ首相は国内の混乱の責任を取る形で5月9日に辞任した。
その直後に現職のウィクラマシンハ首相が就任したのだが、首相が交替しても経済危機は全く収まらなかった。4月18日には約7,800万ドル(約105億円)分の米ドル建て債の利払い期限を迎えたが支払えず、その後1ヶ月の猶予期間を経ても支払えなかったために、スリランカは5月18日にはデフォルトとなった。
通貨であるスリランカルピーも今年になって暴落。1~2月は1ドル=200ルピー付近で推移していたレートだが、3月以降はルピーが暴落して6月には1ドル=360ルピーと年初の半分近くの価値になった。
5月のデフォルト以降は政府による借り入れが難しくなり、国内の経済事情はさらに悪化した。ガソリンがほとんど手に入らないため、ガソリンがあるスタンドには常に大行列ができている。また食料品が手に入らず1日3食食べられない国民も増えている。
そのような状況が続き、今週5日にウィクラマシンハ首相は議会演説でスリランカの「破産」を宣言した。この宣言をもってすぐに状況が一段と悪化するわけではないが、スリランカ経済が極めて厳しい状況にあることが改めて確認された。現在スリランカのインフレ率は年間50%程度と言われており、ウィクラマシンハ首相は「年末までに60%になる見通し」と述べていた。
だが本当の問題はスリランカだけではない。パンデミックによるサプライチェーンの混乱やウクライナ紛争によって、世界的に食料や燃料が手に入りにくくなっている。日本でも食料品の値上げが毎日のように発表されているものの、日本はまだマシな方だ。
中東やアフリカの途上国ではスリランカのように食料や燃料が手に入らず、経済危機に陥る可能性のある国が増えている。サプライチェーンの混乱やウクライナ紛争が続く限り、世界的なインフレや途上国の危機は終わりが見えない。
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