またイーロン・マスク氏の「推し」で上昇したドージコイン

テスラとTwitterのCEOのイーロン・マスク氏が、4日未明にTwitterのアイコンを仮想通貨・ドージコインを表す柴犬に突然変更。これはマスク氏によるドージコイン推し活動の一環と見られるが、この変更を受けてドージコインが30％以上も暴騰した。

変更後約束通りと発言

　さまざまな発言や行動で世界に話題を振りまいている世界有数の富豪にしてテスラとTwitterのCEOでもあるイーロン・マスク氏が、また奇抜な行動を見せた。

　昨年買収したTwitterのアイコンは以前からずっと「鳥」のようなマークだったのだが、それを4日未明に突然仮想通貨のドージコイン（DOGE）のイメージである日本の柴犬に変更。この措置を受け、直後にドージコインが30％も暴騰した。

　ドージコインはアメリカのオレゴン州に住むビリー・マーカス氏というプログラマーが開発し2013年から流通している仮想通貨。ビットコインを模倣して開発したとのことだが、「面白いコイン」をコンセプトにジョークなどを交えた仮想通貨として発展させていく意図があった。遊び心からコインのイメージも日本の柴犬が使われている。

　ドージコインは2020年末までは0.2～0.5円とかなり低い水準で推移していたが、2021年以降に暴騰する。その原因は2021年に世界的な仮想通貨ブームになったことに加え、ある人々からの「推し」が強力だったことがある。

　2021年1月末にはネット上の掲示板でドージコインへの買いが呼びかけられ、24時間で10倍にまで暴騰したことがあった。

　そして同年4月15日には、イーロン・マスク氏がドージコインへの支持を表明。それ以前にもビットコインがマスク氏の発言で大きく動いたこともあり、今回も発言でドージコインが5倍以上高騰した。

　ところが翌5月8日には今度はマスク氏がテレビで「ドージコインは詐欺」と発言。これは真剣にそう言ったのではなく会話の流れで出たジョークのようなものだったが、この発言のためにドージコインが30％も暴落した。

　そして今週4日未明には、突然Twitterのアイコンをドージコインの柴犬イメージに変更した。この変更はそれ以前に予告はされていなかった。しかし変更後にマスク氏は「約束通り」という発言とともに、3月26日にあるTwitterユーザーからの「アイコンを鳥からDoge（柴犬）に変えてほしい」との要望があったことを示した。

　変更前に10円付近で推移していたドージコインは、この変更を受けて2時間以内に30％以上高い13円70銭まで暴騰。その後も暴落はなく、4日日中から夜にかけて12円台から13円台で推移している。

　さらにあまり流通していないが柴犬コイン（SHIB）というドージコインの模倣で作られた仮想通貨があり、こちらもTwitterのアイコン変更を受けて暴騰した。

　相変わらず仮想通貨は特定の人々の発言や行動によって大きく動くことがある。為替レートが要人発言で動くことはすでに知られているが、仮想通貨が一部の富豪の言動で大きく動くことも頭に入れておいた方がいいということか。