すでに無用論も出始めたバフェット指数

user 著者 鳥羽賢
calendar 2024年2月21日

株式市場にはバフェット指数という指数がある。これはある国のGDPと株式市場全体の時価総額の比率を出し、株式が買われ過ぎか売られ過ぎか測るためのもの。しかし最近では米の株式市場はずっと高値にあり、「かなり買われ過ぎ」と判定されてもさらに上昇している。そのためバフェット指数はもう無用なのではないかという意見も出始めている。

バフェット氏が使う指数

 株式市場にはバフェット指数という指数がある。日本ではそれほど使われていないが、著名投資家のウォーレン・バフェット氏の名前がついており、同氏がよく使っていると言われる指数だ。

 指数の計算式は単純で、ある国の株式市場の時価総額全体をGDPで割り、それに100を掛けてパーセントで表すだけ。この場合時価総額とGDPが同じなら100%になる。

 そしてバフェット指数では数字が大きいと株式市場が「買われ過ぎ」の状態にあり、小さいと「売られ過ぎ」だと判断されていた。以前までは特に140%を超えた水準では「かなり買われ過ぎ」と判断されてきており、それが売り時の判断になると思われていた。

 実際に1970年から2015年までの45年間を見ると、140%を超えたのは2000年のITバブルが天井をつけた1年未満の期間のみ。そしてバフェット指数の見方通り、140%付近まできたらITバブルが崩壊して株価は大幅下落した。

 また1975年から94年頃まではアメリカの株式市場が伸びなかった時期で、この19年間は平均しても50%程度と非常に低い水準だった。

 ところが2010年代後半から様子が変わってきている。以前までは140%を超えると「かなり買われ過ぎ」と見られ警戒されていたのだが、2010年代後半以降は140%を超えても株価は崩壊せずさらにどんどん上昇している。

 2020年春のパンデミック開始直前には一旦150%と過去最高水準まで上昇。そこでパンデミックが始まり史上最大級の大暴落となり、一度は120%まで後退した。

 しかしそこからFRBや各国中銀が空前の規模で金融緩和を行ったため、株式市場はコロナバブルとなり2020年春の大暴落をあっという間に取り返すほどの暴騰を見せた。そしてバフェット指数も上昇し、2021年8月には200%近くになった。

 8月はNYダウが天井をつけた時期ではない。ダウ工業平均はその後も小幅に上昇して2022年1月には一旦36,900ドルの天井をつけ、その後はFRBの利上げのためしばらく高値更新がなかったが最近はまた高値更新を続けている。

 だがアメリカのGDPの方はそれ以上に伸びているため、バフェット指数は高値更新がなく2024年2月21日現在で約180%にある。

 かつては「かなり買われ過ぎ」の判断基準だった140%を超えても100%に戻ろうとせず、むしろそれより高い水準が長期続いている。そのため最近では「バフェット指数はもはや無用なのではないか」という意見も出てきている。

 またそれらの意見に対抗する考えとして、バフェット指数を修正する動きも見られる。これまでは時価総額をGDPで割って出していたが、GDPにFRBのバランスシート分を足した数字を使った方がいいのではないかという意見がある。

 FRBのバランスシートの金額はこれまで金融緩和で資産を購入した額であり、その分株式市場を押し上げる効果がある。その分株式市場が上がるのは理にかなっているので、除数に含むべきという考えだ。

 今年2月21日現在で出ている最新の数字で、アメリカの株式市場の時価総額は50兆ドル、GDPは28兆ドル、FRBのバランスシートは7.5兆ドルになる。つまり、バランスシート分を除いた場合と入れた場合のそれぞれの結果は以下のようになる。

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バランスシートなし:50÷28×100≒178

バランスシートあり:50÷(28+7.5)×100≒140

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 バランスシート分を入れると結果は約140%になり、かろうじて「かなり買われ過ぎ」の判断基準を超えた。この計算方法を使えばまだバフェット指数は使えるのかもしれない。しかし従来の計算式ではすでに高くなり過ぎており、「現在では無用」論も理解できる。

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