GMOコインのIEOは上場後暴落

user 著者 鳥羽賢
calendar 2022年5月18日

18日に仮想通貨取引所のGMOコインがIEOとしてトークンを上場させた。しかしそのトークンは上場後数時間で暴落して販売価格の4分の1未満になった。国内では2例目のIEOだが、早くも大失敗例となったように見える。

昨年のIEOは盛況だった

 企業が独自のトークンを発行して資金を調達するIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)は、海外では多く行われている。それに対して日本ではこれまであまり行われていなかった。

 もともとは企業が直接トークンを不特定多数に販売するICOとして始まったが、ICOは直接取引のため詐欺紛いの案件も多く早々と廃れた。そこで直接ではなく間に取引所を通すことで、より信頼できる取引になったのがIEOだ。

 しかし日本はこのように新しい概念を取り入れるのが遅く、これまでほとんどIEOは行われてこなかった。ようやく行われたのは去年の7月で、仮想通貨取引所のコインチェックがパレットトークン(PLT)というトークンを販売。発行企業はHashpalette(ハッシュパレット)というNFT事業を行う企業だった。

 このトークンは販売価格が4.05円だったが、上場日の7月29日には10倍の40.5円を超え、8月1日には20倍も超える盛況ぶりだった。

 そして日本におけるIEO第2弾として、今度はGMOコインがサッカーチームのFC琉球が発行するFCRコイン(FCR)というトークンを上場させた。販売価格は1枚=2.2円だった。

 今週18日には上場日を迎えたのだが、午後4時半過ぎに販売価格付近で上場初値をつけた後は下落が継続。わずか2時間後の午後6時半過ぎには0.5円と販売価格の4分の1未満になってしまった。

 上場初日に10倍をつけたパレットトークンとは天と地の差だ。それにしてもこれほど差が出るIEOをどうやって見分ければ良いのだろうか?

 パレットトークンの場合、募集開始からわずか6分で目標額の約9億円が調達できたと発表された。このような発表があればパレットトークンはそれだけ多くの投資家に支持されていると見ることができる。

 それに対してFCRコインの場合開始6分どころか販売開始後かなり経っても目標額達成という発表はなかった。ネットの一部では上場日18日の直前で目標達成という話も出回っていたようだが、GMOコインから正式発表はなかった。

 つまりパレットトークンのように早期に目標を達成したIEOは人気があり上がりやすい。逆に最後まで目標達成という発表がないFCRコインのようなIEOは人気がなく、上場後の上昇はあまり期待できない。今後IEOに投資をするならこのような点を見る必要がある。

 それにしても2つ目のIEOが早くも失敗例に終わってしまったのは、日本のIEOにとって痛手と言える。コインチェックが今夏に第2弾(日本では3つ目)のIEOを計画しているのだが、18日のFCRコインの暴落はそちらにも暗雲をもたらすこととなった。

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