ETF取引開始後のイーサリアムは軟調な動き

米でイーサリアムETFが23日から取引開始となった。ETFの取引開始後にイーサリアムの価格上昇も期待されたが、その期待に反して取引開始から現時点までの約48時間でイーサリアム価格は大幅に下落している。

48時間で10％超下落

　今年1月にアメリカで上場したビットコインETFは、仮想通貨市場の地合を大きく改善した。そして次に市場が期待したのは年初に申請された複数のイーサリアムのETF。これらのETFは5月23日に重要な申請が承認され、そして7月になって5本が7月23日から取引開始と決定した。

　そして日本時間の23日夜から取引が始まり、市場参加者の中には取引開始によって原資産であるイーサリアム（ETH）の価格上昇を期待する声もあった。

　しかし現実は必ずしもその期待通りに行かなかったようだ。イーサリアムETFの取引が始まった23日午後10時半には、イーサリアムの価格は54万円だった。開始直後の24日未明にはあまり動かなかったものの、24日日中から下げが開始。そして24日夜以降には下げが加速し、特に25日午前10時頃には2万円ほどまとまって下落。午後1時過ぎには48万円をつけ、ETFの取引開始時点から10％以上の下げ率となった。

　そこでようやく下げ止まり25日日中から夜にかけて主に48万円台で推移したが、大きなリバウンドはなかった。

　24日から25日にかけて急激な円高が進行したので、円建ての価格は米ドル建て以上に下がったと思われる。しかし米ドル建てでこの間のイーサリアム価格の推移を見ても、23日夜時点で3,500ドル、そして25日夜には3,100ドル台と円建てとほぼ同じく10％ほど下落した。

　なおこの48時間で他の主要仮想通貨も値を崩した。だが例えばビットコインは23日夜時点で1,040万円だったレートが25日夜には980万円と6％ほどの下落率に留まっており、やはりイーサリアムの下落率は他と比べても高い。

　イーサリアムETFの取引開始によってイーサリアムの価格も上がると期待していた参加者にとっては、かなり期待外れの48時間となったようだ。しかしビットコインETF上場の直後は「噂で買って事実で売れ」の格言の示すように、上場の事実が出たことで一旦はビットコイン価格が下がった。その後はビットコインETFに順調に資金の流入が続いたことで、ビットコイン価格も上がる良い効果が生まれた。

　取引開始後の2日間のイーサリアムの動きは期待外れとはいえ、これからの資金流入次第でイーサリアム価格の大幅上昇もありえる。