すでにかなり昔のことのように感じられるが、民主党時代の2010~12年は為替が1ドル=80円前後の超円高水準にあった。しかしその後1ドル=80円には戻っておらず、あの円高は一時的な現象だったようにも考えられる。
日本人にとって最もよく目にする為替レートは米ドル/円だ。むしろ「為替レート」と言えば米ドル/円を指すことが多いくらい、米ドルと円のレートは重要な数字となっている。
ここ数年の米ドル/円は102~112円付近のレンジで推移しており、大きく円安や円高に動くことはあまりなくなった。2020年2~3月の株価大暴落時は一時101円台になったが、株価が落ち着くとレートもまたレンジ内に戻ってきた。
「十年一昔」と言われるように、現代の世界の流れは速く10年も経てば世の中の全てが変わる。為替レートも同様で、約10年前の2010~12年は1ドル=80円時代があったことなどすでに忘れてしまったか、あるいは知らない人々も増えていることだろう。だが2010~12年の民主党政権時代は、米ドル/円のレートが実際に1ドル=80円付近の超円高水準で推移していた。
しかし2012年秋に安倍元総理が「アベノミクス」構想を発表すると一気に円安に転換し、13年春の黒田総裁による異次元緩和発表でさらに円安になった。円安のピークは2015年夏の1ドル=125円だったが、その後は2017年頃から100~115円で安定した動きが続くようになった。
もはや1ドル=100円以下には戻らず、まして80円に戻るようなシナリオは全く見えなくなった。2010~12年の80円は単なる一時的な現象だったようにも見える。1ドル=80円付近の円高になったことはこれまで2回。1回目は1995年だが、この時の超円高は数ヶ月の短期だった。そして2回目は2010~12年で、年単位で続いた。
とはいえ民主党政権が終わり、2013年以降は8年以上ほぼ1ドル=100円より上の水準で推移してきた。2020年も102円付近まで下がったことはあったが100円は割らず、2021年になって米長期金利高を受けてまた円安に動いている。現在の状況では1ドル=100円を下回り、それが長期続くようなことはなかなか起こりにくい。
ただし実質実効為替レートで見ると、現在は1980年代前半と同じ相当な円安水準にある。実質実効為替レートとは日米両国の物価などを加味し調整したレートで、「1ドル=100円」という2通貨の相対レートではなく2010年を100とした数字で表される。
実質実効為替レートで見ると相当円安水準であることは、最近よくマスコミで「海外は物価が高い」と報道されていることからわかる。最近は日本と比べてアメリカなどの物価はかなり高くなっているが、それは単純に円のレートがかなり安いという意味でもある。逆に言うと物価水準で見れば現在のレートは適正ではなく、今後かなり円高に動いてもおかしくはない。
1980年代前半は円がかなり過小評価されていると言われ、その後1985年に先進国はアメリカ主導でプラザ合意に達し、円安を是正することで合意。その後数年間で1ドル=250円から一気に120円になった。
現在の円安水準だけ見ると、またプラザ合意みたいな合意が起こる可能性がなくはない。しかし現在はアメリカが米ドル高を容認しており、かつ1980年代ほど日本の製品に脅威を感じていない。だからプラザ合意のような円安を強制的に是正させる合意が起こる可能性は低いだろう。
したがってまた1ドル=80円になる可能性は低いのだが、今後アメリカが本気で円高・米ドル安にしたいと思えば一気に円高になる。世界はアメリカの力によって動いているからだ。
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