英大手銀行のRBSが日本の国債市場から撤退を決定

イギリスの大手銀行であるロイヤル・バンク・オブ・スコットランド（RBS）が、これまで参加していた日本国債のプライマリーディーラー業務から撤退することになった。プライマリーディーラーとは、日本国債市場の売買に参加できる資格を持った金融機関のことだ。

RBSは国債売買以外の業務も大幅に縮小し、これまで日本で250人いた従業員を30人程度まで大幅に減らす方針だ。残すのは最低限の業務に必要な人員のみとする。RBSはこれまで日本で証券と銀行の法人を持って業務を行っていた。RBS証券は現在従業員111名、RBS銀行は137名だ。

RBSは今年2月にすでに世界的な大規模リストラ計画を発表しており、約14万人いると言われる従業員の最低3万人を削減する計画になると述べていた。

日本においてもRBSの業績は不振で、RBS証券は2013年3月期決算で32億円の損失、2014年3月期にはさらに拡大して57億円の損失だった。またRBS銀行は、2014年3月期が23億円の損失だった。

また外資系金融機関で同様に撤退を検討しているのは他にも何社かある。アメリカの大手銀行・シティバンクはその代表例で、日本におけるリテールバンク業務を日本の金融機関に売却する交渉を進めている。交渉が順調にいけば、年内にも合意に達すると見られている。

RBSのような金融機関はオフィスを一等地に構えて人材にも多くの報酬を支払っているので、固定費がかさみ収益を圧迫する。それに対してネットでサービスを提供しているオンライン証券会社は、固定費多くかからないので収益性に関して優れている。