柴犬「かぼす」の死は世界的なニュースに

千葉県の女性に飼われていた柴犬の「かぼす」が、先週24日に死亡した。この柴犬は仮想通貨ドージコインのイメージとして採用されていた犬なので、その死が世界的なニュースとなっている。

ドージコインを通して知名度爆発

　千葉県の佐藤敦子さんという女性が飼っていた柴犬の「かぼす」が、先週24日に18歳で死去した。現在犬の平均寿命は14～15年なのでそれより4年ほど長い生涯だったが、ついに永眠した。

　そしてこの犬の死去が世界的なニュースになっている。というのもかぼすは仮想通貨のドージコインのイメージとして使われた柴犬であり、「世界一有名な柴犬」と言われていた。かぼすの死は日本だけではなく海外の多くのメディアで広く報じられている。

　かぼすは佐藤さんが2008年秋に、犬の里親募集を見て引き取った柴犬だった。生まれた時点では飼い主ではなかったので正確な生年月日は佐藤さんも知らないということだが、2005年11月頃と推定される。

　そして飼い始めた翌年の2009年6月には、ブログでかぼすのことを紹介し始めた。これがインターネット上で注目されるようになり、海外のコミュニティにも広まってかぼすはその時点で有名な柴犬になった。

　2013年にはドージコインが立ち上げられ、柴犬かぼすがイメージとして使われたためにかぼすはさらに有名になった。さらにドージコインはテスラのイーロン・マスクCEOが何度も「推し」発言を行ったことで時価総額ベスト10に入るほど成功した仮想通貨になり、それがかぼすを「世界一有名な柴犬」にした。

　ドージコインを通して有名になったことで他の事業でも採用される機会が生まれ、スウェーデンの地下鉄でキャラクターに採用されたり、一時はX（Twitter）のロゴに使われたこともあった。

　しかしそのかぼすも犬の平均寿命をすぎて老犬となると病気をすることが増え、先週の5月24日にはついに永眠したと佐藤さんから発表された。

　1匹の犬の死だがこのニュースは世界の多くのメディアで報道され、またネット上でも仮想通貨関連を中心に多くのコミュニティで話題にされた。犬の死のニュースがこれだけ大きく報道されることは珍しい。

　かぼすがブログで紹介されるようになったことをきっかけに、世界一有名な犬になり飼い主の佐藤さんも有名な人になった。インターネットへの投稿は一度「バスる」ことがあれば、投稿主が一気に有名になれる。その反面思わぬ投稿が炎上、つまり多数の人々からのネガティブな反応につながってしまうこともあるので注意が必要だ。