日銀が異次元緩和と称して大規模なETF購入を始めたのが2013年の4月。それから6年近くが経ったが、目標の物価上昇率2%の達成は見えず、ETF購入額は増額されてきた。世界でも類を見ないこの政策は、6年経っても終了できる兆しが見えない。
日銀のETF購入というと2013年4月に黒田総裁が始めた異次元緩和政策のことを指す場合が多いが、実は黒田総裁以前にもETF購入は行われていた。1つ前の白川総裁時代にもETF購入などの量的緩和は行われていたが、金額が異次元緩和政策に比べると小さく、それほど話題にはならなかったのだ。
そして黒田総裁になると、2013年4月に年1兆円という前代未聞の規模でETF買いを始める。しかし物価上昇率2%の目標は達成できないまま2014年4月に消費税を8%に増税し、悪影響が長引いた。それを見て日銀は2014年10月にETF買いを年3兆円に増額。さらに2016年7月には年6兆円にまで増やした。
だがこれだけETFを大規模に、かつ長期間買い続けても、目標の2%は達成できない。2017年半ば頃から世界的に景気が良くなり、日本の物価もやや上昇した。しかし最近になっても0.7%~1.0%に留まっているだけで、2%超えは全く見えてこない。
ではこのETF大量買いを日銀は一体いつまで続けるのか?すでに日銀がETF買いを停止したり縮小すると言うと、株価が暴落しかねない状況にある。もはや日銀が自発的にETFを止めることは極めて難しくなってしまった。
しかしこのような異例の政策が今後ずっと続けられるという保証はない。いつかは何らの理由で止めないといけなくなるのだが、どういう理由が考えられるのか?
1つの考えられる節目として、2023年春に黒田総裁が現在の任期満了を迎えることがある。黒田総裁は2013年から日銀総裁になり、本来は1期目の5年を終えて2018年春に退任と思われていた。ところがこれも異例だが、黒田総裁は再任される。
2023年に黒田総裁が退任するのか、あるいは3期目があるのか予想するにはまだ時期が早すぎる。だがさすがに10年総裁をやってさらに続けるのは長すぎるし、黒田総裁自身も2023年までに78歳になる。3期目がある可能性はかなり低いだろう。
黒田総裁の次にもリフレ派の総裁が就任し、異次元緩和を引き継ぐことも考えられる。ただそうならないと、黒田総裁後に異次元緩和政策をどうするのか、難しい選択を迫られることになる。
そして大規模緩和を期待して黒田総裁を指名した安倍総理は、2021年で自民党総裁としての3期目の任期が切れる。安倍総理以前は自民党総裁は連続2期6年が最長と決められていたが、安倍政権になってそれが3期9年に延長された。しかし今のところ4期目を可能にするという話は自民党内でもないし、安倍総理自身も4期目への意欲は見せていない。安倍総理が2021年に表舞台から去ると、黒田総裁は異次元緩和に関して政治の後立てを失うことになる。そうなると異次元緩和を続けるにしても立場的に弱くなる。
そしてETF購入自体がいつまで続けられるのかという問題もある。最初は日経225平均の銘柄を買ってきたが、購入が長く続きすぎて225社の多くで日銀が大株主になってしまった。そのため最近になり、日銀はTOPIX銘柄にも購入対象を広げた。
TOPIX銘柄はたくさんあるが、長年続ければいつかは購入が難しくなってくる日がくる。その時にETF買い政策の存続が議論されることになるだろう。どのような形にせよETF買い政策はいつか終わりがくるし、その時にはこれまで続けてきたツケを支払うことになる。
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