日銀の追加利上げ観測を背景として年明け以降日本の長期金利は上昇が続いており、今週13日には約15年ぶりの高水準となる1.37%をつけた。長期金利の上昇によって住宅ローン固定金利の引き上げや、政府の国債利払い増加などさまざまな影響が出てくる。
最初に簡単に説明しておくと、長期金利とは10年物国債の利回りのこと。国債には株式市場と同様リアルタイムに売買される国債市場がある。そして国債市場における国債の価格と利回りは反対に動く性質がある。
国債が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。2年物、5年物などの国債利回りは短期金利と言われ、10年物国債の利回りが長期金利と言われる。
本来長期金利は市場の原理に任せて決まるものだが、日本では日銀が2016年9月に長期金利を0%±0.1%など一定のレンジに意図的に抑える政策、つまりイールドカーブ・コントロール政策を発表した。
しかし2022年頃から世界的なインフレ抑制のために世界の多くの国がハイペースで利上げを行ったことで、アメリカなど他国の長期金利が軒並み上昇。この金利上昇トレンドは日本の長期金利にも及び、上昇圧力がかかった。
そのため日銀は何度か長期金利の目標上限を引き上げた末に、2024年3月にイールドカーブ・コントロール政策を終了と発表した。日銀が終了を発表した時点の長期金利は0.7%だったが、その後は日銀がインフレ対策で金利を引き上げる見通しが高まったことで長期金利はジリジリと上昇していった。
2025年が明けた時点で1.1%だった長期金利は、その後は1月の会合で日銀が利上げを発表するとの見通し、24日の利上げ発表、そして発表後も昨年8月のように株価が暴落しなかったことによる追加利上げ見通しの拡大によって継続して上昇。2月13日には一時、2010年4月以来約15年ぶりの高水準となる1.37%をつけた。
長期金利の上昇によって日本にさまざまな影響が出てくる。市民の生活に直接的に影響するのは住宅ローン固定金利の上昇。住宅ローンの固定金利は長期金利によって決まり、変動金利は短期プライムレートによって決まる。また短期プライムレートは日銀の政策金利によって決まる。
長期金利が上昇していることで、今後は固定金利の上昇が見込まれる。もちろん固定金利なのですでに借りている人々の金利は変わることはないが、新規で借りる際にはこれまでより高い金利が適用される可能性が高まる。
そして長期金利の上昇で政府の国債利払いも増える。財務省の試算では、長期金利の1%上昇で国債の利払い費は8.7兆円増えるとのことだ。すでに3年前の2022年と比べると1%上がっているので、それだけ国債の利払い費が増えることになる。
日本国内のインフレは止まっていないため、今後さらに日銀の利上げが求められ長期金利も上がっていく。税収は過去最高と言われる日本政府だが、金利上昇によってそれだけ国債の利払い費が増え決して余裕ある予算編成にはならない。
日本の借金が増えすぎた弊害はここにある。日本の国債は自国通貨建てなのでデフォルトはしないし、日本経済の性質から借金が増えたことだけを原因としたインフレは起こりにくかった。しかし何らかの理由でインフレが起こった場合、借金を増やしすぎていると日銀が利上げできず、インフレを止める手段が限られてしまうことが問題であった。
この書類に含まれる素材はiFOREXではなく、独立した第3機関により作成されたもので、いかなる場合においても、直接的・間接的、明示的・暗示的にかかわらず、投資に対する助言や、金融商品に関する投資戦略の推奨、提案として解釈すべきものではありません。この書類に含まれる過去の実績や、それに基づくシミュレーションは将来の成果を保障するものではありません。
すべての免責事項はこちらをクリックしてご確認ください。
iFOREXは数百銘柄の通貨、仮想通貨、商品、指数、ETF、株式をCFD形式で取引することができます。
方法は簡単、3ステップでCFD取引を注文できます。
iFOREXに今日参加すれば、次の素晴らしい特典パッケージがあなたのものに
25年以上信頼されるサービスプロバイダー
iFOREXグループは業界で最も大きく尊敬される企業の一つです。1996年に成功した銀行家のグループにより設立され、世界中の人の毎日の市場へのアクセスが目標です。
3つの主な約束
私たちは、提供するグローバルな取引商品の多様性と、使用する革新的な技術、常に向上し続けるカスタマーサービスで、業界のリーダーであり続けます。