年末に高騰した仮想通貨ポルカドット

年末は株やビットコインが高騰して話題になったが、ポルカドットという最近まで知られていなかった仮想通貨も高騰。年末のわずか数日間で最大2倍近くになり、時価総額で4位に躍り出た。

今年前半まではほぼ無価値

　2021年が明けたが、2020年の年末は感染が広がっているにも関わらず金融市場は賑わっていた。株式市場は高騰し、東京市場では日経225平均が27,000円を突破して1990年のバブル崩壊直後の水準まで上昇。

　さらにビットコインは12月後半から猛烈に上昇し、12月15日時点では200万円だったレートが年末には史上初の300万円をつけた。上昇している株やビットコインのホルダーにとってはいい年の瀬だったに違いない。ただしその一方、米SEC（証券取引委員会）に運営元が提訴されて暴落したリップルのようなものもある。

　そして株やビットコインに比べてまだ知名度が低いのであまり報道されていないが、ポルカドット（DOT）という仮想通貨が、年末のわずか数日間で2倍近くも高騰した。具体的には12月28日朝時点で1枚＝530円だったレートは、わずか4日後の1月1日朝には970円になった。

　ではポルカドットとはどのような仮想通貨なのか？まずポルカドットとは単なる仮想通化ではなく、異なるブロックチェーン同士をつなぐためのプロジェクトでもある。仮想通貨取引にはブロックチェーンが不可欠だが、現在はいろいろなブロックチェーンが存在している。そして異なるブロックチェーン同士では通信ができなかった。

　それら異なるブロックチェーン同士をつなげて、仮想通貨取引の利便性を高めようというプロジェクトがポルカドットだ。これは比較的最近立ち上げられたもので、2017年には仮想通貨ICOによって資金が調達された。

　そして仮想通貨のポルカドットとは、そのプロジェクトで利用するために発行された仮想通貨のこと。ポルカドットは今年前半までほとんど無価値だったのだが、今年春から夏にかけてバイナンス（Binance）などの大手取引所が扱いを開始したことで、価値が上がった。

　夏から秋にかけて日本円では400～500円付近で推移していたポルカドット。そして12月23日になると、バイナンスがポルカドットのプロジェクト支援のための10億円規模のファンドを立ち上げると発表した。

　そしてこのニュースが、28日以降の高騰の一因になったと見られている。実際に上昇し始めたのが28日ならバイナンスの発表から多少のラグがあるが、4日間で2倍近くという暴騰の一因になった可能性は高い。年末の上昇でポルカドットはライトコインを抜いて、仮想通貨の時価総額で4位に躍り出た。3位のリップルがSECの提訴問題で揺れているので、場合によってはリップルを抜いて3位になるかもしれない。

　現在ビットコインの一強状態である仮想通貨の世界だが、ビットコインの牙城は崩せないまでも2位の座を狙えるような新しい通貨が出てきたことは、仮想通貨業界を盛り上げるニュースとなる。