為替市場では6日夜からまた急激に円安が進み、5月9日につけた1ドル=131円30銭を越えて7日朝には132円に。そして7日午後3時頃にはついに一瞬だが133円をつけた。マスコミではこの水準は「20年ぶりの円安」と報道されているが、実質実効為替レートで見るとすでに1ドル=360円だった頃と同等レベルの円安になっている。
週明け6日の夜からまた円安が進行した。きっかけとなったのは先週の3日金曜に発表された米5月雇用統計が予想を上回ったことで、米利上げの加速見通しが高まり米長期金利が上昇したこと。
さらに6日日中には日銀の黒田総裁が講演し、その中で「家計は値上げを許容している」「揺るぎない姿勢で金融緩和を継続していく」などと発言。これがその後の円安材料となった。
6日日中には1ドル=130円60銭付近で推移していたが、夜以降上昇し5月9日につけた131円30銭の高値を更新した。さらに7日朝には2002年以来となる132円をつけ、午後3時頃には一瞬だが133円まで円安になった。
マスコミでは「20年ぶりの円安」という言葉が多く使われている。通常の為替レートで見るとその通りだが、実質実効為替レートで見ると20年ぶりどころか1ドル=360円だった1971年以来約50年ぶりの円安となる。
実質実効為替レートとは、通常の為替レートに両国の物価の違いや貿易統計などを加味して調整をしたレートのこと。1ドル=130円のような相対的レートで表されずに、2010年の水準を100とした単独の数字で表される。数字が小さいとより円安で、大きいと円高を意味する。為替レートのようにリアルタイムで変動せず、毎月の数字だけが日銀から発表される。
今年3月時点の米ドル/円の実質実効為替レートは65.26とすでに相当円安になっており、この水準は1971年12月~73年2月の1ドル=308円固定レート時代と同じ水準だった。
しかし円安が大きく進行したために4月の実質実効為替レートは60.91まで急落。この水準は1970~71年12月の1ドル=360円で固定されていた時代と同等の円安水準となる。なお実質実効為替レートの数字が見られるのは1970年以降で、69年以前の数字は公表されていない。
1ドル=360円の時代というと、海外旅行はまだ一般的ではなくごく一部の富裕層だけしか行けなかった。もちろんそれはお金の問題だけではなく、飛行機の便がまだ多くなくましてLCC(格安航空会社)などなかったことも理由として考えられる。
そして2022年現在、まだパンデミックが完全に終息していないため海外旅行は簡単には行けない。だが行けたとしても、円が極度に安くなっているため多くの日本人にとって海外の買い物や宿泊費は相当高く感じるだろう。
円の購買力が1ドル=360円の固定レートの時代まで戻ってしまったことはかなり衝撃だ。しかし日銀は緩和を止めて引き締めに転換する気がないため、円安は今後も進行していく可能性が高い。実質実効為替レートが統計開始以来最も円安となった1970年8月(57.1)を超える日がくるかもしれない。
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