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仮想通貨の真価が問われるのはこれから

user 著者 鳥羽賢
calendar 2022年6月23日

仮想通貨は2017~18年にバブルになり弾け、そして2021年のバブルもすでに弾けたと言ってもいい。しかしこれで仮想通貨という存在が終わったわけではなく、むしろその真価が問われるのはこれからと言ってもいい。

真に価値あるものなら今後も発展

 仮想通貨が世界に流通し始めたのは2009年頃と言われるが、わずか13年でもはや多くの人にとって家計や資産の一部になっている。

 仮想通貨は2016年以前は一部の人々にしか知られていなかったものの、2017~18年に最初の世界的ブームとなった。この時はバブルのように価格が高騰し、ビットコインは2016年12月の10万円から1年後には230万円にもなった。しかしほとんどの仮想通貨レートは2017~18年の年末年始に天井をつけその後暴落。バブルは弾けブームは終わった。

 2回目のブームは2021年で、この時は世界各国による空前の緩和を背景に前回以上にレートが高騰してビットコインは一時780万円もつけた。だが2022年になって仮想通貨価格は下げが続き、多くの通貨がすでに最高値の3分の1になった。またもバブルは弾けたのだ。

 とはいえこれで仮想通貨という存在そのものが終わったわけではない。むしろ仮想通貨の真価が問われるのはこれからだ。

 このような流れはインターネットでもあった。インターネットは1990年代に世界で爆発的に普及し、90年代後半から2000年にかけて特にアメリカでIT関連銘柄が暴騰。これが俗に言う「ITバブル」だった。

 しかし当時はインターネットの黎明期で、まだSNSも動画サイトもなくインターネットがその後どこまで普及するかわからない状況だった。そのためインターネットのことを「あんなものは役に立たない」という人もいたし、ITバブルが弾けると「やはり大した価値のないものだった」という人もいた。

 だがITバブルが終わってもインターネットは終わらず、むしろその後どんどん発達して社会生活に浸透していったのはもはや言うまでもない。2020年代の今やインターネットは生活に不可欠で、特にパンデミック中はインターネットがなければ巣ごもりができずさらに悲惨な状況になっていただろう。

 GAFAを中心にIT銘柄の株価もITバブル時以上に高騰した。GAFAの中でFacebookだけは2000年当時はまだなかったが、Google(アルファベット)、Amazon、Appleは2020~21年の株高で2000年当時の時価総額を遥かに超え、1兆ドルすら超えた。

 ITバブルはインターネットの黎明期における最初の熱狂だったが、インターネットはそれだけでは終わらずその後も発展を続ける「本物」だった。

 仮想通貨も「本物」であれば、一過性のブームで終わらずこれからも世界で普及が続くだろう。しかし逆にそうならなければ、ただの一過性のブームだったということになる。だが仮想通貨にはすでにかなりの実需が存在しているので、今後も普及が進む可能性は高い。

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