今週は10ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だった。その中の1つである日銀は異次元緩和政策の大幅修正を発表したが、今後も緩和を続けるとの姿勢が示されたことで発表後の金融市場では円安・株高が進行。日経225平均は1月9日の週とほぼ同じ今年最大級の上げ幅となった。
今週は10ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週だった。その中で最も注目されていた日銀の発表は19日火曜に行われ、予想されていたマイナス金利解除の他に、ETF等市場における資産購入の終了や、長期金利の誘導目標レンジ政策の終了も発表された。
しかし同時に発表された声明やその後の植田総裁の会見で今後も緩和を続ける姿勢が示されたことで、市場は通常の引き締め発表後のように円高・株安には動かなかった。
また21日未明にはアメリカの政策金利が発表され、予想通りの5.25~5.5%据え置きだった。同時に発表された今後の金利予想では今年「2回」の利下げを予想する参加者が前回より増えていたものの、「3回」を予想する参加者が多数派である点は変わらなかった。
それ以外の政策金利発表では、21日に発表したトルコはサプライズで5%の利上げで50%、同じ日に発表したスイスはサプライズで0.25%の利下げで1.5%とされた。
その他の6ヶ国、オーストラリア、ブラジル、ノルウェー、イギリス、メキシコ、ロシアは予想通りの発表で、ブラジルとメキシコは小幅利下げを発表。その他4ヶ国は据え置きだった。
今週は政策金利の発表が多かったため経済指標の方は注目されなかった感があるが、22日金曜に発表された日本の2月消費者物価指数は生鮮食料品を除いた数字で予想通りの前年同月比+2.8%。前月の+2.0%より0.8ポイントも高くなっており、日本のインフレがしぶとく残っていることを示した。
先々週から先週にかけて円高のため調整が入った東京株式市場だが、今週は円が再度下落したことで大幅高の週となった。日経225平均は18日月曜に1,033円も暴騰して終了。19日には日銀の発表後上昇して40,000円を回復し、20日水曜は春分の日で休場した後、21日も812円暴騰。22日金曜も続伸して、週足では2,181円高で終了。1月9日の週とほぼ同じ今年最大級の上昇幅となった。
FRBが金利据え置き発表と同時に今後の利下げ姿勢を改めて示したことで、NY株式市場も堅調な1週間となった。ダウ工業平均は18日に小幅上昇した後、19~21日にかけて3日連続大幅上昇して節目の40,000ドルに接近。だが22日には305ドル下落し40,000ドルは超えられず、週足では761ドル高だった。
為替市場の米ドル/円は週足からしばらくの間は1ドル=149円付近で推移した後、19日の日銀発表後に円安・米ドル高が進行。20日には151円を越えて152円に接近したものの、介入警戒感から152円は超えられないまま今週を終えた。
来週は今週に比べて重要な発表が減るが、アメリカの第4四半期GDP確定値と同じくアメリカの2月個人消費のPCEデフレーターが発表される。またユーロ圏が夏時間に入る。重要な発表が少ないので、株式市場は今週の勢いが続くかもしれない。
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