今週は米2月CPIが発表され予想より高い数字が出たことで、米の早期利下げ観測が後退。他の米経済指標も早期利下げを難しくさせる数字が多く出たため、先週円高が進行した為替市場は今週は円安に動いた。
今週は12日火曜にアメリカの2月消費者物価指数(CPI)が発表され、予想の前年同月比+3.1%に対し発表は+3.2%と予想を上回った。この数字は前月の+3.1%より高い。さらに14日木曜には同じくアメリカの2月卸売物価指数が発表され、予想が前年同月比+1.1%、結果が同+1.6%と予想を大きく上回った。アメリカのインフレ率がまた高まったことでそれまで6月と見られていたFRBの利下げ開始予想時期が遅れることになった。
今週発表された他の主な経済指標を見ると、11日月曜に発表された日本の第4四半期GDP改定値は予想の前期比年率1.1%増に対し発表は0.4%増だったが、速報値時点では0.4%減だったので改定値でプラスに転じた。
14日に発表されたアメリカの2月小売売上高は、予想が前月比0.8%増、結果が0.6%増だった。しかしこれ以外に発表された米経済指標は予想を上回るものが多く、米利下げの予想開始時期がこれまでの6月からより先送りされる結果となった。
先週は「日銀が19日にマイナス金利を解除する」と予想する報道が複数出たことから、為替市場では1ドル=147円まで円高が進行。そして今週明けも11日は円が続伸して146円台になった。
だが12日になると、植田総裁が国会で行った証言で具体的な言及がなかったことで数十銭円安に動いた。この日夜に発表された米2月CPIが予想を上回ったことでまた円安になり、その後は週の終了時まで円安が継続し1ドル=149円付近で今週を終えた。
年明け以降猛烈な上昇が続き先週はついに日経225平均が節目の40,000円をつけた東京株式市場だが、先週の円高を受けて今週は調整モードに入った。
11日月曜は朝方から売りが多く入り、この日は868円安で終了。そして12日以降は動きがなくなり100円前後の小幅な変動で終わる日が4日間続き、週足では981円安と今年最大の下げ幅となった。
NY株式市場では11日にダウ工業平均が小幅上昇した後、12日は早期利下げ観測の後退を受けて236ドル高で終了。13日も小幅続伸したものの14・15日は2日連続で下げ、週足では8ドル安だった。
仮想通貨市場では今週もビットコインの上昇が続き、14日には一時1,090万円をつけてまたも最高値を更新した。だがその後は上がり過ぎ感から利益確定売りが増えて週末にかけて下げが続き、週末には一時960万円台もつけた。
来週は日米英を初め、メキシコロシアなども含めると10ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュとなる。19日火曜の日銀発表ではマイナス金利の解除が確実視されており、同時に発表される声明や植田総裁の会見で今後の金融政策にどのような言及があるかが注目材料となるだろう。
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