今週は8ヶ国・地域が政策金利を発表する年末の政策金利発表ラッシュの週だったが、発表された内容はほぼ予想通りだった。14日未明の米FOMC発表では来年の利下げ予想が以前より高まっていたことで、発表後は為替市場で急激な円高・米ドル安が進行した。
今週は全部で8ヶ国・地域が政策金利を発表する年末の政策金利発表ラッシュの週だった。その中で最も重要視されていたのは、14日未明に発表されたアメリカの政策金利。
発表された金利は予想通り5.25~5.5%のまま据え置き。しかし同時に発表された参加者による将来の金利予想を示すドットチャートでは、2024年末までに0.75%分の利下げが行われると予想されていた。この来年末の金利予想は前回・9月時点より低く、来年利下げが行われる可能性が高まった。
それ以外の政策金利発表をまとめると、ブラジルは予想通り0.5%の利下げで11.75%、スイスは予想通り1.75%のまま据え置き、ノルウェーは0.25%の利上げで4.5%(予想は据え置き)、イギリスは予想通り5.25%のまま据え置き、ユーロ圏は予想通り4.5%のまま据え置き、メキシコは予想通り11.25%のまま据え置き、そしてロシアは予想通り1%の利上げを発表して政策金利を16%とした。
経済指標も重要なものがいくつか発表された。12日火曜に発表されたアメリカの11月消費者物価指数は、予想通りの前年同月比+3.1%で前月の+3.2%より低く、アメリカのインフレ沈静化が鮮明になった。さらに翌13日水曜にはアメリカの11月卸売物価指数が発表され、予想の前年同月比+1.0%に対して結果は+0.9%。前月の+1.2%よりさらに低下しついに0%台になった。
それ以外の主な指標としては14日にニュージーランドの第3四半期GDPが発表され予想は前年同期比0.5%増だったが、結果は0.6%減で予想に反してマイナスだった。
ここ最近は米利上げの終了観測が高まり、今週のFOMC発表で来年の利下げ観測が高まったためNY株式市場は非常に好調な1週間となった。ダウ工業平均は11日と12日は小幅上昇した後、場中にFOMC発表があった13日には512ドル暴騰して史上最高値を更新。さらに14~15日も小幅続伸して13日と併せて3日連続で最高値を更新し、週足では1,058ドル高だった。また先週後半から7営業日連続上昇が続いている。
一方NY株高と同時に円高が進行したため、東京株式市場はNY株ほどの勢いがなかった。日経225平均は11日に484円上昇したものの、その後4日間は小幅な上下が続き週足では663円高だった。
そして為替市場ではすでに述べたように、FRBによる来年の利下げ見通しの高まりを受け週後半には円高が進行した。今週を1ドル=145円付近からスタートした米ドル/円は、11日には日銀が早期に政策を修正する意図はないとの報道で一時146円台まで円安に。
その後は米政策金利発表時まで大きな動きがなかったが、14日午前4時にFOMC発表が行われると急激な円高・米ドル安が進行。14日正午頃には一時141円を割って140円台をつけ、その後は週の終了時まで大きな反発はなく141円台から142円台で推移した。
来週は19日火曜に日銀が今年最後の政策金利を発表する。市場では一時日銀が早期に異次元緩和政策を修正という見通しが高まったものの、11日の報道で見られたように今月の会合で修正される可能性はかなり低い。
それ以外にはトルコの政策金利発表や、日本の11月消費者物価指数などが発表される。海外ではクリスマス休暇に入る国が多いこともあり、来週は閑散市場になることが予想される。
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