今週は米9月PPIにCPIと2つのインフレ指標が発表された。それらはどちらも予想を上回り米インフレの根深さを示したが、今週金融市場にとって米経済指標より大きな材料となったのは中東におけるハマスとイスラエルの戦闘開始であった。
今週はアメリカのインフレ指標が発表された。11日水曜には9月卸売物価指数(PPI)が発表され、予想の前年同月比+1.6%に対し発表は+2.2%だった。翌12日木曜には9月消費者物価指数(CPI)が発表され、予想が前年同月比+3.6%、結果が+3.7%だった。どちらも予想を上回っており、アメリカのインフレの根深さが出ている。
それら以外に発表された主な指標を見ると、13日金曜に発表された中国の9月消費者物価指数は予想が前年同月比+0.2%、結果が±0%で他国と逆にデフレになっている中国の物価がなかなか上がらない現実を示した。
そして今週は主要国や新興国の政策金利発表はなかったのだが、今週の金融市場にとって大きな材料となったのは先週末に始まった中東におけるハマスとイスラエルの戦闘であった。
地中海に面した中東のガザ地区は2007年頃からイスラエル軍によって封鎖されており、200万人の市民は自由に外に出られない。そしてガザ地区を実効支配する過激派組織のハマスが、先週7日土曜に突然イスラエルに対して攻撃を開始。
これまでにも何度かハマスとイスラエルの衝突はあったものの今回はこれまでより規模が大きく、イスラエルも大規模な報復を開始しており収拾の目途が立たない。
しかしこれらの材料にも関わらず今週の株式市場は堅調だった。NY株式市場ではダウ工業平均が9~11日に小幅ながら3連騰。12日は米9月CPIを受けて利上げ長期化見通しが再燃し173ドル下落したが、13日は再度小幅上昇して週足では263ドル高だった。
東京株式市場はNY以上に堅調な展開となった。先週終盤に4ヶ月ぶりに31,000円を割った日経225平均だが、今週は9日月曜に休場した後10日火曜には今年最大の上げ幅となる752円高をつけた。11日に小幅続伸した後12日も500円以上上昇し、13日は小幅安となったが週足では1,321円高の暴騰だった。
為替市場では米ドル/円は週前半には1ドル=148円台後半で推移。その後11日発表の米9月PPIを受けて149円を超え、12日の米9月CPI発表後にはさらに円安に動き150円に接近。しかし日銀介入が意識されたため150円はつけなかった。
先物市場では特に原油が中東情勢によって大きく動いた。先週を83ドル付近で終えたNY原油は、先週末に戦闘が始まったことで週明け急騰して一時87ドルをつけた。その後はサウジアラビアによる供給安定化宣言などを受け下げが続いたものの、週の終盤にはイスラエルが地上作戦に移るとの見通しからまた急騰して88ドルに接近した。
来週は日本の9月消費者物価指数が発表されるが、他に重要な指標発表があまりない週となる。また政策金利も19日木曜に韓国が発表する程度。来週も今週に続いて中東情勢が大きな材料となるだろう。
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