日本の総選挙後となった今週だが、総選挙直後の週前半には東京株は上昇した。一方NY株式市場は米大統領選の直前であるが、目立った動きは見られず通常営業の1週間だった。
先週末に日本で総選挙が行われ、与党自公が過半数割れの215議席で終わる惨敗となった。また来週5日には米大統領が行われるため、今週は日米の重要な選挙に挟まれた狭間の1週間であった。
しかし各国の経済指標の発表はいつも通りで、今週は重要な発表が多かった。30日水曜に発表されたアメリカの10月ADP雇用統計は、予想の前月比11万4000人増に対し発表は23万3000人増と予想を大きく上回った。その後1日金曜に発表された10月雇用統計は、予想が前月比11万3000人増だったが結果は1万2000人増と予想を大きく下回った。
1日発表の米雇用統計の数字によって、来週の7日木曜(日本時間8日金曜未明)に発表される米政策金利は0.25%の利下げがほぼ確実視されるようになった。
それ以外に発表された今週の主な指標を見ると、30日発表のドイツの第3四半期GDPは予想の前年同期比0.3%減より多少マイナス幅が少ない0.2%減だった。同じ日に発表されたユーロ圏の第3四半期GDPが発表され、予想の前年同期比0.8%増を上回る同0.9%増だった。
31日にはユーロ圏の10月消費者物価指数が発表され予想を0.1ポイント上回る前年同月比+2.7%。同じ日にはアメリカの9月個人消費のPCEデフレーターが発表され、予想通りの前年同月比+2.1%だった。
政策金利の発表は31日の日本のみで、予想通り金利据え置きが発表された。しかし植田総裁の会見では今後の追加利上げが示唆された。
米大統領選を控えたNY株式市場は方向感に欠ける展開が続き、ダウ工業平均は28日月曜と1日には上昇したが、残り3日間は下落。週足では62ドルの小幅安だった。
一方総選挙後となった東京株式市場だが、与党が惨敗して今後の政局に不安が浮上したにも関わらず週明けは堅調な展開となった。日経225平均は28日に692円も上昇し、翌29日火曜は298円、30日は374円続伸して39,000円を回復した。
だが31日には196円安で終わり、翌1日には1,027円安と今年8回目の4桁下落。週足では140円の小幅高だった。
為替市場では米ドル/円が総選挙後の週明け18日には円安に動き1ドル=154円に接近。7月31日の日銀利上げ以降の円最安値を更新した。だがその後は円安材料がなく、31日の植田総裁会見後はやや円高に動き一時151円台をつけたが、週の終盤はまた円安に動き153円で今週を終えた。
今週は仮想通貨市場でも目立った動きがあり、ビットコインは週の前半に堅調な動きが続き30日には1,128万円をつけて史上最高値をわずかながら更新。また米ドル建てでも最高値を更新した。
しかし週後半になると仮想通貨に好意的なトランプ氏の勝率が下がったとの見通しが流れ、それがビットコインの売り材料となり下落。週末には1,040万円まで後退してきた。
来週は5日火曜がいよいよ米大統領選の投票となり、米政策金利の発表も予定されている。また5日からは東証の終了時刻が15時から15時半になるなど、来週はさまざまな材料の多い激動の1週間となりそうだ。
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