今週の注目はジャクソンホール会議

著者鳥羽賢

2024年8月18日

今週の22～24日に、年に1度世界各国の金融政策担当者などが一堂に会するジャクソンホール会議が開催される。ここで最も注目されているのはFRBのパウエル議長の講演で、発言内容次第では金融市場が大きく動くこともありえる。

今年のテーマは金融政策

　今週の22～24日に、アメリカのワイオミング州ジャクソンホールという場所で世界各国の金融政策担当者などが集まるイベント・ジャクソンホール会議が開催される。

　ジャクソンホール会議は1978年に始まり、その後45年間以上毎年1回夏に開催されてきた。2020～21年の2年間はパンデミックのためにオンライン開催になったが、2022年からは通常の会議形式に戻っている。

　参加するのは世界各国の中央銀行総裁と幹部、財務大臣や財務省の官僚、エコノミストなどの学者、そしてマスコミ関係者などになる。そして金融政策などについて要人が講演をしたり、意見を交換し合ったりする。

　ジャクソンホール会議は毎年テーマが決められている。2023年は「世界経済の構造シフト」だったが、2024年のテーマは「金融政策の効果と変更の再評価」になっている。もともと金融政策に関する会議だったが、今回は特に金融政策に焦点を当てているようだ。

　開催日の8月22～24日は現地時間であり、日本の時間では23～25日未明と半日ほどずれる。またこれまでの通例として初日はディナーのみで終わることが多く、本格的なプログラムは2・3日目に行われる。

　ジャクソンホール会議ではFRBの議長が講演を行うのが通例だが、今年もこれまでと同様にパウエル議長が講演を行う。講演の開始時刻は23日金曜の米国東部時間午前10時、日本時間で同日午後11時になる。

　この時間はまだ世界の金融市場が開いているので、パウエル議長の発言内容次第では市場が大きく動くこともありえる。最大の注目材料は、すでにほぼ確実と言われる9月FOMCでの利下げについてどこまで言及があるか。またその後の追加利下げについて何らかの示唆があるかどうかも同様に注目される。

　アメリカのインフレ率はかなり下がってきているので利下げの下地は整っている一方、経済指標は強弱まちまちだ。今月上旬に発表された7月雇用統計はかなり予想より低かったものの、15日に発表された7月小売売上高は予想を上回った。

　この状況では9月の利下げの後の追加利下げスケジュールを予想することは難しい。したがってパウエル議長の意向が非常に重要で、そのパウエル議長が直接発言をするジャクソンホール会議の講演は世界の金融市場参加者が注目している。

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