メラニア夫人のコインも登場でTRUMPが暴落

18日朝にトランプ氏の公式ミームコインが発行され、あっという間にレートが上昇して話題になった。その興奮が冷めやらぬ20日早朝になり今度はメラニア夫人の公式ミームコインが発行され、トランプ氏のコインの方が50％近く大暴落する珍事になった。

発行手法に批判も

　本日20日にいよいよトランプ大統領が就任するが、その直前になって仮想通貨業界で予想外の出来事が起こっている。日本時間の18日朝方にはトランプ氏の公式ミームコインであるTRUMPの発行が発表されたのだ。

　このコインはトランプ氏の知名度を受けて発行直後から暴騰し、19日夜には一時価格が70ドルを超え時価総額は140億ドル（約2兆2000億円）まで増えた。仮想通貨の時価総額ランキングでもライトコイン（LTC）など老舗の仮想通貨を抜いて13位になり、発行からわずか36時間で驚異的なパフォーマンスを見せた。

　ところがTRUMPの発行からわずか約48時間後の20日早朝6時過ぎになって、今度はメラニア夫人の公式ミームコイン・MELANIAの発行が発表された。

　市場はこれをTRUMPにとって競合コインと受け止め、TRUMPの大暴落につながってしまった。20日午前6時頃には75ドル近くまで上昇して19日夜の高値とほぼ同じ水準をつけていたTRUMPは、MELANIAの発表によって大暴落。約2時間後には38ドル台とMELANIA発表前から50％近くもの価値を失った。また時価総額でも80億ドル（約1兆2500億円）を割った。

　MELANIAの方もTRUMPと同様に発行後に高騰。日本時間の20日朝方に発行された直後に大きく上昇して13ドルをつけたが、そこで一旦上昇は止まりTRUMPの70ドル超えに比べると数分の1に留まっている。また発行枚数はTRUMPと同じ10億枚となった。

　とはいえMELANIAの発行に関して問題も指摘されている。公式に発表されているコインの配分と、実際にコインが存在しているアドレスが一致していなかったのだ。

　具体的には、公式の発表ではMELANIAは開発チームに35％、保存用に20％、関連コミュニティに20％、投資家への分配に15％、そして流動性確保に10％となっている。しかし現時点でのMELANIAの状況を追跡してみたところ、90％が特定の1つのアドレスに存在しておりこの発表通りになっていないとのことだった。

　米大統領の就任直前に夫妻が揃って独自のミームコインを発行し、その結果多くの富を手にした一方で片方は一時暴落するという珍事態になった。すでに仮想通貨の時代に突入したので、今後はアメリカだけではなく他国でもこのようなことが起こるかもしれない。