マイクロソフトは増収増益も株価下落

30日のNY株式市場終了後にマイクロソフトが4～6月期決算を発表。増収増益の好調な内容だったが、クラウドの売上高が予想を下回ったことなどから発表後のNY株式市場で同社の株は下落している。

ゲーム部門は売上大幅増

　30日のNY株式市場終了後（日本時間31日早朝）に、マイクロソフト（銘柄コード：MSFT）が4～6月期の決算を発表した。

　その内容によると、売上高は前年同期の561億ドル（現在のレートで約8兆4000億円、以下同じ）から15％増の647億ドル（約9兆7000億円）で、市場予想の594億ドル（約8兆9000億円）を上回り、四半期の数字としては同社の過去最高額となった。

　純利益は前年同期の200億ドル（約3兆円）から10％増の220億ドル（約3兆3000億円）。EPS（1株あたりの利益）は2.95ドルで、市場予想の2.71ドルを上回った。全体的に見て増収増益であり売上高は過去最高の好調な決算と言える。

　そしてマイクロソフトは6月決算のため、今期の発表をもって2024年6月の通期決算も確定。通期の売上高は前年の2,120億ドル（約31兆8000億円）から16％増の2,450億ドル（約36兆7500億円）。純利益は前年の723億6000万ドル（約10兆8500億円）から22％増の881億4000万ドル（約13兆2200億円）。EPSは11.8ドルだった。

　4～6月期の決算を部門別に見てもほぼ全部門で前年同期より売上高が伸びている。中でもXboxを中心としたゲーム部門は、前年同期比61％増と非常に良好だった。ただしこのうち58ポイント分は、昨年10月に完了したゲームソフト企業のActivision Blizzardの買収による影響と説明されている。

またここ数年大きく伸びてきたクラウド部門は前年同期比19％増の285億ドル（約4兆2800億円）だったものの、この数字は予想より低くそれが市場にとってやや失望する材料となった。

　そのため前日の終値は422.92ドルだった同社の株は、発表後のNY時間外市場で一時7％以上と大幅な下げを見せた。その後31日夜に始まったNY株式市場前半では、前日終値より1～2％低い水準で取引されている。

　現在発表が続いているアメリカ企業の4～6月期決算では、テスラ（銘柄コード：TSLA）やGoogleの親会社であるアルファベット（銘柄コード：GOOGL）が発表後のNY株式市場で株価が下落。そして31日発表のマイクロソフトも発表後の株価が下がっており、これまでNY株式市場をけん引してきた「マグニフィセント7」の勢いに陰りが見えてきている。この7社は過去数年急上昇してNY株式市場をリードしてきただけに、下げに転じるとその影響は大きいものとなるだろう。