2014年頃から深刻な経済危機が続いてきた南米のベネズエラだが、経済危機の大きな原因の1つは原油安であると言われてきた。しかし最近は原油価格が上昇基調にあるのに、ベネズエラの経済は上向く気配がない。ベネズエラの経済危機は原油価格が原因ではなかったのか。
豊富な石油資源を持つベネズエラは、かつては南米の中では豊かな国と言われたこともあった。しかし2014年頃から深刻な経済の後退に悩まされ、インフレ率も高騰。そして国民は食料や日用品にも困る生活に追い込まれてきた。
これまではベネズエラの経済危機の大きな理由として「原油安」が挙げられることが多かった。ベネズエラが経済的に厳しい状況になったのは2014年頃からで、原油価格 [i] が急落したのは2014年後半。つまり時期的にはその理論は正しいと見てもおかしくはなかった。
ところが産油国による協調減産の効果もあって、2017年以降は原油価格が回復し最近ではついに60ドル台に戻った。だが原油が回復してきたにも関わらず、ベネズエラの経済は全く上向く気配がない。
ベネズエラの経済危機の本質的な原因は、原油安ではなかったと見られる。まずマドゥロ大統領の経済的な失政の影響が大きい。マドゥロ大統領が副大統領から昇格したのは2013年だが、そこからマドゥロ政権の経済失政が始まった。
誤った政策は数多くあるが、1つの例として無謀な価格統制がある。マドゥロ政権は食料品などさまざまな商品を政府が決めた価格で売るよう強制する法律を制定したが、そのような法律を作ると採算が合わなくなった企業は生産・販売そのものを止めてしまう。このように市場経済の原則を無視した経済政策を進めたために、ベネズエラの経済は急速に衰えていった。
そして経済を下支えしようと、通貨・ボリバルだけを無謀に乱発したために、為替市場ではボリバルの価値が下落しインフレは高騰。2017年のインフレ率はついに年間2600%にもなった。
国民はマドゥロ政権に対しデモなどで抗議をするものの、政権側は常に武力で鎮圧。特に今年の4月から数ヶ月間、これまでにない規模でベネズエラ全土に抗議デモが拡大。数ヶ月間の抗議で死者が100人以上出るほどになったが、結局マドゥロ政権を倒すことはできなかった。
昨年8月には野党が多数派の既存の議会を無力化するため、制憲議会という新しい議会を無理やり制定し、選挙を行なって与党が多数派を占めるようになった。これでマドゥロ政権の独裁化がさらに進行した。
結局国民にはどうすることもできず、今後もマドゥロ政権が続く可能性が高い。しかしベネズエラの経済危機が続くと、デフォルトなどの破綻が待っているとの見方をする者も多い。そうなったら、影響は他国にも拡大する可能性が考えられる。
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