トルコリラが5月6日午後になって一段と売られ、ついに2018年8月につけた対米ドルでの史上最安値を更新。7日にはさらに下落した。3月以降進んでいる新興国から資金逃避により、新興国通貨が下げ止まらない状態が続いている。
3月に世界的な株安が起こったが、この時期以降新興国から資金が引き上げられ米ドルに還流という動きが続いている。そのために新興国通貨の下落が続いており、トルコリラも例外ではなかった。
3月開始時点では1ドル=6.25リラ付近にあった米ドル/トルコリラは、その後2ヶ月間速いペースで下落。5月6日には2018年8月のリラ暴落時につけた1ドル=7.12リラを超え、7日になると一段と下落し7.27リラになった。
対円では2018年の安値が1リラ=15円50銭付近だったが、その安値は4月20日頃にすでに更新。5月7日には14円70銭まで下落した。
しかし日本時間の7日夜になってトルコの金融当局が動き、シティバンク、BNPパリバ、UBSの欧米3行に対しトルコリラと他通貨との取引を禁止した。この発表を受けリラが多少反発し、対円では一時15円を回復した。
とはいえこの措置は応急措置的なもので、長期的なリラの下落を食い止められるものではない。トルコ政府・中銀はリラ安を止めたければ、ともかく金利を引き上げることが求められる。
実際に2018年8月のリラ暴落時は、リラ防衛のために翌9月までに政策金利を24%まで引き上げた。だが高金利は景気を冷やすので、エルドアン大統領は中銀に対して利下げをするよう圧力をかけ、2019年7月にはついに引き締め派の前チェティンカヤ総裁を更迭してしまった。
後任として選ばれた現ウイサル総裁は緩和派だったので、就任後すぐに利下げを開始して2020年5月までに8.75%まで引き下げた。景気への悪影響を恐れるエルドアン大統領とウイサル総裁では、今後も簡単に利上げはできないと思われる。
とはいえリラ下落によってトルコのリスクが高まっているのは事実。その国のリスクを表わす指標にCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というものがある。この数字が高いほどデフォルト確率が高いのだが、トルコは2018年夏に600ポイント近くまで上昇した。
だが2020年5月現在で620ポイントに近付いているので、CDSで見てもトルコのリスクは2018年より高くなっている。参考までに、2020年5月現在の日本のCDSは30ポイント程度だ。
しかし620ポイントという水準は、まだまだ深刻な危機とは言えない。現在の水準に基づいたトルコのデフォルト率は10%程度と言われているので、トルコがデフォルトまで行く可能性はまだ低い。
ギリシャは2010年頃に深刻な財政危機に陥ったが、当時のCDSは最大で25,000ポイントと桁違いに上昇した。それに比べるとトルコの620ポイントはまだ低く、デフォルトの危機は遠い。だがこれ以上リラが下がると、トルコ国内のインフレ加速など別の問題が出てくることも考えられる。
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