トルコの株式市場再開し主要指数は暴騰

6日に発生した大地震を受けて9～14日に取引を停止していたトルコのイスタンブール証券取引所が、15日に再開された。再開前に政府が株価底上げ措置を発表していたこともあり、再開後は主要指数が10％も暴騰し地震による暴落前の水準を回復している。

7～8日には暴落

　2月6日月曜にトルコの南東部で大地震が2回発生。15日現在まで救助活動が続いているが、隣国のシリアと併せた犠牲者はすでに4万人を超えたと伝えられている。

現在のトルコ共和国が建国されたのは1923年なので、今年はちょうど100周年にあたる年だった。本来ならお祝いの年になるはずだったのだが、逆に建国以来最悪の災害が発生してしまった。

　大規模な災害は、トルコの株式市場も動揺させた。トルコの主要な証券取引所は、最大都市・イスタンブールにあるイスタンブール証券取引所。そして主要な株価指数としてBIST100指数（以下、「BIST100」）がある。なお日本のメディアではBIST100が「イスタンブール100種指数」などと呼ばれている場合もあるが、これらは同じ指数。

　BIST100は地震発生前の2月3日金曜は4,997.63で終了。そして地震が発生した週明け6日時点ではまだそれほど暴落せず、1.4％安の4,930.18で終了した。2回目の地震は日本時間午後7時頃（現地時間午後1時頃）で、6日の株式市場終了時の数時間前だった。この時点ではまだ市場は被害の大きさを理解していなかったのだろう。

　そして一夜明けた7日火曜になると被害の深刻さが市場にも伝わった。この日は開始時から売りが殺到し、BIST100の終値は8.6％安の4,505.34と暴落した。

　暴落は翌8日水曜になっても続き、開始直後から前日以上に売りが殺到し大暴落。BIST100は現地時間の午前中ですでに7％超安い4,186.01まで暴落したが、そこでトルコ政府は混乱を収めるために全ての取引停止を命じた。そしてこの日の取引を全て取り消しと発表した。したがって8日のBIST100の終値は前日と同じ「4,505.34」とされた。

　そのままイスタンブール証券取引所は9～14日まで取引が停止された。15日から再開予定だったのだが、この間に政府は次々と株価暴落防止の政策を発表。まず公的年金の政府保有分の株式投資比率を、それまでの10％から30％に引き上げた。また同じ年金資金の同一株に投資できる上限比率を、1％から5％へと引き上げた。さらに企業が自社株買いをする場合の源泉所得税を15％からゼロにした。

　このような株価下支え政策を発表し満を持して15日から株式市場が再開。政策の後押しもあり15日は朝方から買いが殺到してBIST100は暴騰。現地時間の午後になると7・8日比で10％ほど高い4,950付近で推移しており、地震による暴落前の水準を回復した。

　政府がこのような株価下支え政策を発表するのは異例のことだが、トルコ政府は地震による暴落を止めるためには必要と判断したのだろう。株価はかなり落ち着いてきたものの、トルコの地震からの復興への道は遠い。