23日のNY株式市場終了後に米EVメーカーのテスラが4~6月期の決算を発表。売上高は小幅に増えていたものの、前期に続き減益で販売台数も減少と苦戦が鮮明になっていた。決算内容を受けて発表後のNY株式市場で同社の株が下落している。
23日のNY株式市場終了後(日本時間24日早朝)に米EV(電気自動車メーカー)のテスラ(銘柄コード:TSLA)が4~6月期の決算を発表した。
その内容によると、売上高は前年同期の249億3000万ドル(現在のレートで約3兆8400億円、以下同じ)から2%増の255億ドル(約3兆9300億円)で、市場予想の224億ドル(約3兆4500億円)を上回った。
純利益は前年同期の27億ドル(約4,150億円)から45%も激減して14億8000万ドル(約2,280億円)。EPS(1株あたりの利益)は0.42ドルだった。
しかしこれらの数字は、アメリカの正式な会計基準に基づいたGAAPベースの利益額。テスラを含めた一部の米企業はGAAPベースの他に、非公式なnon-GAAPベースの数字も公表している。
Non-GAAPベースによるテスラの今期の純利益額は、前年同期の31億5000万ドル(約4,850億円)から42%減の18億1000万ドル(約2,790億円)。EPSは0.52ドルで、市場予想の0.55ドルを下回った。
テスラの主力商品である自動車の台数を見ると、生産台数は前年同期の48万台から14%減の41万台。販売台数は前年同期の46万6000台から5%減の44万4000台だった。
全体的に低調な決算の中、売上高だけは増収を達成したものの、主力の自動車部門は前年同期比7%減であった。その一方でバッテリー部門が前年同期比100%増、サービス部門が21%増で自動車部門の減収をカバーした。
テスラは2020~22年頃には世界的なEVシフトの拡大とともに、株価・業績共に爆発的に伸びてイーロン・マスクCEOは世界一の富豪になった。しかし世界的なEVシフトによって世界各国の自動車メーカーもEVに力を入れるようになり、競争が激化。
2023年頃からは何度も自動車を値下げして販売台数の伸びを維持してきたが、収益は減益決算が続いてきた。しかし2024年1~3月期にはついに販売台数も減少に転じ、今期の4~6月期も同様だった。
前日・23日を246.38ドルで終えたテスラ株だが、減益決算を受けて24日のNY株式市場序盤には10%以上安い210ドル台で推移している。
EV市場では中国のBYDといった他メーカーが台頭しており、テスラは各国で押されつつある。また最近になってアメリカのEV市場におけるシェアが初めて50%を割ったというデータも出た。そしてEVはガソリン車に比べて利便性に劣るため、各国の目標通り普及が進まず市場は拡大していない。
テスラは2020~22年頃がその黄金時代と言える時代で、2023年以降は非常に厳しい時代に入ったのではないか。
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