最近になって為替市場では円高・米ドル安が続いているが、米ドルは下落しても他の主要通貨が全て下がっているわけではない。スイスフランは米ドルやユーロに対して上がっており、円と同じでリスク回避のための逃避通貨としてまた買われるようになった。
2022年から24年暮れまで3年近く円安が継続し、日本国内の物価高が進行するなど国民生活に弊害が出ている。日銀は円安を止めるために2022年に3回、24年に4回も為替介入を行ってきたが、なかなか円安は止まらなかった。
しかし2025年になってトランプ政権が発足すると地合が変わり、トランプ大統領の関税政策への懸念から米ドルが売られ今週21日にはついに1ドル=140円台まで円高になった。
年明け以降の3ヶ月半でかなりの円高・米ドル安となったわけだが、米ドル以外の主要通貨は必ずしも米ドルと同様の下落を見せていない。なおここで言う日本円と米ドル以外の主要通貨とは、メジャー通貨(ユーロ、ポンド、カナダドル、スイスフラン、豪ドル)の5種にNZドルを加えたものとする。
特に強さを見せている通貨がスイスフランだ。スイスフランは昨年の終値が1フラン=173円だったが、今年1~2月には円に対して下がったものの3月以降に上昇。4月11日には176.5円をつけ、今週21日も主に174円で推移し年明け時点よりむしろ上がっている。
スイスフランは日本円と並んで、世界の経済や金融市場に対する不安が高まると逃避通貨として買われてきた。2008年のリーマン・ショック後数年間は1ドル=80~90円の円高になっていたが、スイスフランもこの時期は高くなっていた。
そしてその後日本は異次元緩和を始めたことで円高は終わったのに対し、スイスはそのような緩和政策をやらなかったのでその後もフランは強い地合が続いてきた。
米ドル/スイスフランは今年明けから2月末頃までは1ドル=0.91フラン付近で推移していた。だが3月になると米ドル安・フラン高に動き、4月にはフラン高が加速して21日には0.8フランに接近している。
対ユーロでも同様で、年明け時点では1ユーロ=0.94フランだったユーロ/フランは、3月に多少ユーロ高・フラン安に動いたが4月になるとフランが上昇して21日には0.93フラン付近にある。
またユーロ/フランはかつて為替史上に残る激動を見せたことがあった。2008年のリーマン・ショック時点で1ユーロ=1.6フラン付近だったレートは、ショック後には逃避通貨としてのフランが買われて急激な上昇が数年間継続。
2011年夏に1ユーロ=1フランに接近したところで、スイスの通貨当局がしびれを切らして「1ユーロ=1.2フランの上限を設定し、それがブレークされそうになったら無制限で介入をして防衛する」と発表した。
この政策発表ですぐに1.2フラン付近までフランが反落し、その後3年以上は1.2フランの防衛ラインを割ることはなかった。しかし2015年1月になってスイス当局が突然「1.2フランの上限を撤廃」と発表したことで、フランが一瞬で数千pipも大暴騰。フランを売っていた多くの投資家が市場から退場した。
現在は1ユーロ=0.93フランなので2011年に上限政策を発表した時よりフラン高だが、スイスはまだ特別の動きは見せていない。あまりにフランが上がりすぎたら、また2010年代のような大胆な政策を出してくるかもしれない。
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