ついに東証が史上最大の暴落

5日の東京株式市場は円高や米景気の後退懸念などを受けて売りが殺到し、2日金曜の2,216円安の約2倍となる4,451円安で終了。この下げ幅は1987年10月のブラックマンデー時の3,836円を上回り、日経225平均として東証史上最大の下落幅となった。

後場に数千円下げる

　東証では先週の2日金曜に日経225平均が2,216円も暴落。この下げ幅は先週時点では、1987年10月20日のブラックマンデー暴落・3,836円に次ぐ2位の下落幅だった。

　投資家としては週明け5日までに地合が回復してくれると期待していたが、2日夜に発表された米7月雇用統計が予想を大きく下回る前月比11万4000人増と低調で米経済の後退懸念が台頭。その後のNY株式市場でもダウ工業平均は610ドル安で終了し、日経225先物も2日の場中終了時より1,000円以上も下げて先週を終えた。

　そして週が明け、5日早朝の日経225先物はしばらくの間先週3日の終値とほぼ同じ34,000円台後半で推移。午前9時に東証が始まると、日経225平均は660円安の35,249円で寄り付いた。

　日経225平均の寄り値が市場開始前の先物より高いが、これは日本の株式市場の取引ルールのため。日本の株式市場では売りと買いの数が圧倒的に違う場合、その間は取引を止めながら少しずつ気配を下げて（あるいは上げて）から売買がほぼ同数になった時点で取引が再開される。

　この日のように売りが圧倒的に多いと午前9時の直後にはまだ寄り付いていない銘柄が多く、それらが日経225平均の算出に入らないので見かけ上は前日終値からあまり動いていない。しかし9時半頃までには多くの銘柄が寄り付き、その時点で日経225平均は34,000円台まで下がり前場中には一時下げ幅が2,000円を超えた。

　そして後場になると前場以上にすさまじい暴落となった。後場開始時点ではまだ34,000円台を維持していたが、そこから個人投資家によるパニック売り、信用取引などの追証が払えないことによる強制決済、円高による海外投資家の売りなどが激増。

　下げ幅はついにブラックマンデー時の3,836円を超え、一時は4,753円安の31,156円まで下落。終値は4,451円安の31,458円で、下げ幅としては東証史上最大となった。また下げ率は12.4％で、1987年のブラックマンデー暴落の14.9％に次ぐ史上2位となった。

　なお1987年のブラックマンデー暴落とは、アメリカでは月曜日にあたる10月19日に発生した。日本の暴落は時差の関係で翌20日火曜に起こったものではあるため、日本の暴落は言葉通りの月曜ではなかった。

　しかし2024年8月5日の暴落は月曜に発生し、文字通り令和の「ブラックマンデー」となった。

　また為替市場では1ドル＝146円台から今週をスタートした米ドル/円が日中には急激な円高に動き、午後2時頃には昨年暮れ以来となる141円台をつけた。そして仮想通貨市場も崩れてほぼ全ての主要通貨が10～20％、あるいはそれ以上暴落。ビットコインは一時今年2月以来となる700万円まで暴落した。

　金融市場は大変な事態に陥っており、ネット上では「FRBが緊急会合を開いて利下げを検討」というフェイク情報も流れたほどだった。また識者の中には「FRBは緊急利下げをするべき」と発言をした者もいた。

　先週1日からの3営業日で8,000円近くの下落というすさまじい暴落になったが、これでもまだ下げ止まる保証はない。6日火曜には続落する可能性があるのが今の相場の恐ろしいところだ。